今日のキーワード「have a shot at」(挑戦する) - 「ナダル世界1位復帰のポイント10点」 | テニス | W&Sオープン

こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。


シンシナティ・マスターズを前1位のマレー選手、3位のフェデラー選手が欠場したことにより、今週発表ランキングでナダル選手が2014年7月以来約3年ぶりに世界1位に復帰しています。

ナダル選手の世界1位復帰に関して「Tennis.com」が10個の視点から評価しています。ナダル選手のすごさが改めてわかるデータが並んでいます。

今日はその記事を取り上げます。

ラファエル・ナダル、シンシナティ (画像:Tennis.com)

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1.今日のキーワード
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【have a shot at    挑戦する】

今日のキーワードは「have a shot at」です。

名詞「shot」には「試み」、「試行」の意味があります。
「have a shot at...」で「試しに...する」、「(一か八か)...に挑戦する」の意味になります。

「have」の代わりに「make」や「take」を使っても同じ意味です。
(「make a shot at...」、「take a shot at...」)


また「give it a shot」(試しにやってみる、挑戦してみる)などの表現もあります。

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2.ボキャブラリー
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・Rafael Nadal : ラファエル・ナダル。スペイン国籍。31歳。左利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝15回、マスターズ優勝30回、ツアー優勝73回。現在1位 (最高1位)。
・Grand Slam : グランドスラム。テニス4大大会のこと。
・French Open : 全仏オープン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。クレーコート。開催地はフランス・パリ。
・Cincinnati : アメリカ・シンシナティ。W&Sオープンの開催地。マスターズ1000大会の一つ。ハードコート。
・Monte Carlo : モンテカルロ・マスターズ。マスターズ1000大会の一つ。クレーコート。開催地はモナコ・モンテカルロ。
・Barcelona : バルセロナ・オープン。ATP500シリーズの大会。クレーコート。開催地はスペイン・バルセロナ。
・Madrid : マドリード・オープン。マスターズ1000大会の一つ。クレーコート。開催地はスペイン・マドリード。
・Roland Garros : ローラン・ギャロス。全仏オープンの会場。しばしば全仏オープンそのものを指す。
・Roger Federer : ロジャー・フェデラー。スイス国籍。36歳。右利き、片手バックハンド。グランドスラム優勝19回、マスターズ優勝26回、ツアー優勝93回。現在3位 (最高1位)。
・Andy Murray : アンディ・マレー。イギリス国籍。30歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝3回、マスターズ優勝14回、ツアー優勝45回。現在2位 (最高1位)。
・U.S. Open : 全米オープン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。ハードコート。開催地はアメリカ・ニューヨーク。
・stranglehold : 完全な支配、締め付け、抑圧。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【10 things to know about Rafael Nadal returning to No. 1 in the world】

He’s not just one of the greatest tennis players of all time; he’s one of the greatest athletes of all time, period, and he’s back on top. In a season that’s seen him win his 15th Grand Slam title—and more impressively, his 10th career title at the French Open—Rafael Nadal is the world No. 1 again on Monday.

Here are 10 things to know about the Spaniard’s return to the top of the ATP World Tour rankings:

(中略)

9. But No. 1 will be on the line again at the U.S. Open:
Federer and Andy Murray will both have a shot at taking No. 1 back from Nadal in New York, but the Spaniard has it for at least three weeks now.

(後略)



※ 全文は引用元をご参照ください。

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4.日本語訳
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【ナダル世界1位復帰で知っておくべきこと10点】

ナダルはテニス史上最高の選手の一人である。同時にスポーツ史上最高のアスリートの一人でもある。ナダルが世界1位に帰ってきた。2017年は15回目のグランドスラム優勝を果たしている。それが全仏オープン10回目の優勝だったことが印象的である。月曜日に発表されたランキングで、ナダルは世界1位になった。

ナダルの世界1位復帰に関して知っておくべきことは以下の10点である。

1. 4回目の世界1位在位:
過去3回の在位期間は以下の通り。
2008年8月18日 - 2009年7月5日
2010年6月7日 - 2011年7月3日
2013年10月7日 - 2014年7月6日


2. 世界1位陥落後もトップ10をキープ:
3年前に世界1位から陥落した後、負傷離脱があったにもかかわらず、最低でも世界10位に落ちただけである。実際、2005年4月 (当時18歳)以降、トップ10を守り続けている。

3. 最初の世界1位から直近の世界1位までの期間が史上最長:
世界1位に最初になった日 (2008年8月18日)から今週月曜日 (2017年8月21日)まで、9年と3日の歳月になる。最初の世界1位から直近の世界1位までの期間が、ATPツアー史上最長になる。

4. 世界1位通算在位142週目に突入:
過去3回の通算在位期間は、合計141週になる。1回目が46週、2回目が56週、3回目が39週。

5. 世界1位通算在位期間は歴代7位:
ナダルより通算在位期間が長いのは、ロジャー・フェデラー(302週)、ピート・サンプラス(286週)、イワン・レンドル(270週)、ジミー・コナーズ(268週)、ノバク・ジョコビッチ(223週)、ジョン・マッケンロー(170週)の6人だけ。

6. シンシナティ初戦前に世界1位復帰が確定:
ナダルとフェデラーは、シンシナティで世界1位を争う予定だった。しかしフェデラーが背中の負傷により、大会直前で欠場を決めた。シンシナティの結果にかかわらず、ナダルは世界1位を確定していた。

7. 今年の決勝進出回数が全選手中最多:
今年ツアー大会で7回決勝に進出している。そのうち4回優勝し (モンテカルロ、バルセロナ、マドリード、全仏)、3回準優勝している (全豪はフェデラー、アカプルコはクエリー、マイアミもフェデラーに敗北)。

8. 4回目の年末世界1位に向けてリード:
年末世界1位になったのは、2008年、2010年、2013年の3回である。ATPツアー史上、年末世界1位になった唯一のスペイン人である。

9. 世界1位争いは全米オープンで横一線:
フェデラーとマレーは全米オープンで、ナダルからの世界1位奪還に挑戦するだろう。しかし、今から最低3週間はナダルが世界1位に在位する。

10. ビッグ4が世界1位の完全支配を継続:
ナダル、フェデラー、ジョコビッチ、マレーの4人の誰かが世界1位に在位しているのは、今週で連続707週目になる (2004年2月2日、フェデラーが初めて世界1位になって以来、継続中)。


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Rafa Nadal Returns To No. 1



(動画:ATPWorldTour)

ナダル選手の3年ぶりの世界1位復帰を記念した動画。
今回の世界1位復帰にまつわる記録や、今季のこれまでの道のりなどが語られています。
ナダル選手の偉大さについて、フェデラー選手、マレー選手、サンプラス氏、フィリプーシス氏らがコメントしています。

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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今日は今週発表ランキングで世界1位に返り咲いたナダル選手に関する話題を取り上げました。

今年はクレーシーズンで無敵の快進撃を見せましたが、優勝するたびに出てくる記録の数々に感心させられました。1大会で10回優勝するだけでも、通常はあり得ないことです。それをグランドスラム1大会を含む3大会でやってしまったこの人は何者なんだろう、と驚愕したものでした。

今回世界1位に返り咲いて、それにまつわる記録を見直すと、改めて感嘆することばかりです。22歳から世界1位またはそれに近いポジションで9年以上戦っていること、18歳から12年以上トップ10をキープしていること、この2点だけでもすごいことです。

普通の人間がこのレベルで10年前後プレーしたら、両手両足の手術を2回ずつくらいやって、何とかコートに立っている感じじゃないでしょうか。それくらいの負荷が体と心にかかってもおかしくないと思っています。

今トッププレイヤーの欠場が相次いでいます。シンシナティの大会前、ナダル選手は「(何人も離脱したのは)たまたまでしょ」という趣旨の発言をしていました。ナダル選手の体と心からすれば「偶然」かもしれませんが、普通の人間からしたら「偶然」ではありません。

現在のツアーにはナダル選手以外にも、フェデラー選手という「怪物」が存在しています。この人も芝生の最高峰で8回優勝とか、グランドスラムで19回優勝とか、あり得ないことをやっています。「36歳でもこんだけ動けるんだから、20代のヤツはもうちょい頑張れよ」くらいの雰囲気を出しています。

ATPに改めて言いたいです。この人たちは普通の人間ではありません。「怪物」です。この人たちを基準にしてルールを作ったら、普通の人間の大半が10年も持ちません。

「30代のフェデラーとナダルがバリバリやってるんだから、若い選手は全然イケルでしょ」という考えは正しくありません。そこだけは見誤らないで欲しいです。

ナダル選手の「怪物」ぶりを示す記録を見直して、そんな感想を持ちました。


(補足)
マスターズ出場義務免除3条件を満たし、フェデラー選手は2012年からマスターズ8大会の出場義務がすべて免除されています。だからこそ出場大会を絞り込み、適宜休養しながらツアーを戦うという戦略を取ることができます。ですが、2001年から16年以上「Commitment Player」の義務を果たし続けていることに、変わりはありません。

ナダル選手は今年からマスターズ8大会の出場義務がすべて免除されています。ですが今までのところ、すべてのマスターズ(任意のモンテカルロを含む)に出場しています。ナダル選手の性格的に、義務があろうがなかろうが、出場可能な大会にはすべて出るという選択をしているものと思われます。(「Commitment Player」は今年12年目)



(了)


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