今日のキーワード「all for it」(大賛成) - 「マッケンロー、男女対決を提案」 | テニス | その他

こんにちは。tennisshiroです。

イギリスは雨にたたられています。
昨日のエイゴン国際4日目も消化できない試合が続出し、今日5日目の時点で2回戦が男子6試合、女子1試合残っています。


男子2回戦の勝者6人は、準々決勝をダブルヘッダーで戦います。
ドロー数が多い女子は3回戦もあるので、全員3回戦と準々決勝のダブルヘッダーが組まれています。
2回戦未終了のラドワンスカ選手とデービス選手は、勝ち上がるとトリプルヘッダーという過酷な一日になります。


雨だと試合に関する記事が少ないので、今日はオフコートの話題を取り上げます。

セレナ・ウィリアムズ選手に対する発言で物議を醸しているマッケンロー氏。
彼がある提案をしたそうです。私は失笑しました。

セレナ・ウィリアムズ、全豪オープン2017 (画像:BBC Sport)

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1.今日のキーワード
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【all for it    大賛成】

今日のキーワードは「all for it」です。
前置詞「for」は賛成や支持を表し、「...に賛成して」、「...を支持して」という意味になります。
副詞「all」が置かれ、「全面的に」、「すべて」という意味で、文意を強調しています。
ですので「all for it」で「全面的に賛成」、「大賛成」という意味になります。
前置詞の目的語「it」は、別の言葉で置き換え可能です。
例えば「I'm all for it」の代わりに「I'm all for his proposal」(彼の提案に大賛成)という使い方もできます。

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2.ボキャブラリー
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・John McEnroe : ジョン・マッケンロー。現役時代、グランドスラム優勝7回、ツアー優勝77回の成績を残す。最高ランキング1位。
・Grand Slam : グランドスラム。テニス4大大会のこと。
・Serena Williams : セレナ・ウィリアムズ。アメリカ国籍。35歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝23回、ツアー優勝72回。現在4位 (最高1位)。
・Dmitry Tursunov : ドミトリー・ツルスノフ。ロシア国籍。34歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝7回。現在701位 (最高20位)。
・Open era : オープン化以降。グランドスラムにプロ選手の参加が認められた1968年以降のこと。1968年より前はアマチュア選手だけが参加していた。
・Billie Jean King : ビリー・ジーン・キング。現役時代、グランドスラム優勝12回。全米オープン会場のテニス・センターにその名が冠されている。
・Bobby Riggs : ボビー・リッグス。現役時代、グランドスラム優勝3回。最高ランキング1位。マーガレット・コートやビリー・ジーン・キングと男女対抗試合を行ったことで有名。
・Margaret Court : マーガレット・コート。現役時代、グランドスラム優勝24回、ツアー優勝92回の成績を残す。グランドスラム優勝回数は女子歴代1位。1970年、オープン化以降女子初の年間グランドスラムを達成。全豪オープン会場の1番コートにその名が冠されている。
・take on : 相手をする、勝負する。
・Jimmy Connors : ジミー・コナーズ。現役時代、グランドスラム優勝8回、ツアー優勝109回の成績を残す。最高ランキング1位。
・Martina Navratilova : マルチナ・ナブラチロワ。現役時代、グランドスラム優勝18回、ツアー優勝167回の成績を残す。最高ランキング1位。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【John McEnroe proposes men v women contest】

The seven-time Grand Slam champion said Williams was "the best female player ever" but against men it would be an "entirely different story".

Williams, a 23-time Grand Slam champion, responded to McEnroe, asking him to "respect me and my privacy".

McEnroe, 58, said: "I've got a solution. Men and women play together."

"Then we don't have to guess," added the American. "I'm sure the men would be all for it."

Dmitry Tursunov - the male player ranked 701 in the world - also said on Tuesday he believes he could beat American Williams, who is due to give birth in autumn.

"I would hope that I would win against Serena," he told BBC World Service Sport.

The 34-year-old Russian, once ranked as high as 20th in the world, said he did not think McEnroe was "trying to talk women's tennis down" but said "the reality" was that "men are stronger in general".

"Physically I might not be in the best shape of my life but as an overall package I'm much better than my ranking would suggest. She is pregnant, and I'm not.

Williams, 35, who is the most successful female player of the Open era, confirmed her pregnancy in April, just 12 weeks after winning her record 23rd Grand Slam singles title.

"Dear John, I adore and respect you but please please keep me out of your statements that are not factually based," said Williams on Twitter.

"I've never played anyone ranked "there" nor do I have time. Respect me and my privacy as I'm trying to have a baby. Good day sir."

The world number four expects to be back on court as early as January 2018.

History of the 'Battle of the sexes'

Tennis matches between men and women have occurred before, mostly notably back in 1973 when Billie Jean King took on fellow American Bobby Riggs.

Riggs, the world number one in the 1940s, retired in 1951 and at the age of 55 believed he could beat any of the top female players.

King originally declined to play Riggs and Australian Margaret Court - at the time the top female player in the world - stepped in. Riggs won 6-2 6-1.

But later that year, the top-ranked women's player King - 26 years younger than Riggs at 29 - took him on in an exhibition match at the Houston Astrodome and won 6-4 6-3 6-3.

A third 'battle of the sexes' match took place in 1992 between American former world number one Jimmy Connors, aged 40 at the time, and Czech/American Martina Navratilova, who was 35.

The match took place under special rules to make it more competitive - Connors was allowed only one serve per point, and Navratilova was allowed to hit into half the doubles court. Connors won 7-5 6-2.



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4.日本語訳
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【ジョン・マッケンロー、男女対抗試合を提案】

グランドスラム7回優勝のマッケンローが、セレナ・ウィリアムズは「女子テニス史上最高の選手」と語った。だが、男子選手相手だと「全く違う話になる」とも語っている。

グランドスラム23回優勝のセレナは、マッケンローの発言に対し、「私と私のプライバシーを尊重して欲しい」とお願いしている。

「解決方法がある。男子と女子が同じコートで試合をすればよい」と58歳のマッケンローは語った。

「そうすれば、憶測をする必要がなくなる。男子選手は大賛成するはずだ」とマッケンローは付け加えた。

ドミトリー・ツルスノフは、男子世界ランク701位の選手である。彼はセレナに勝てると語った。セレナは今秋に出産を控えている。

「セレナに勝てると期待している」とBBC Sportに語った。

34歳のツルスノフは、かつて世界ランク20位まで登り詰めた。「マッケンローの発言は、女子テニスを侮辱しているわけではない。一般的に男子の方が強いという現実を述べただけだ」と彼は語った。

「肉体的には人生最高の状態ではない。だが総合的には、ランキングよりも遥かに状態が良い。セレナは妊娠しているが、僕はしていない」

35歳のセレナは、オープン化以降、最も成功した女子選手である。彼女は、全豪オープンで23回目のグランドスラム優勝をした12週間後、今年4月に妊娠を公表している。

「親愛なるジョンへ。あなたに憧れ、あなたを尊敬しています。事実に基づかない発言に、どうか私を巻き込まないでください」とセレナはTwitterで語っている。

「私は今まで『700位前後』の選手と試合をしたことがありません。それに時間もありません。子供を出産しようとしている時ですので、私と私のプライバシーを尊重してください。それでは失礼いたします」

セレナは、早ければ来年1月に復帰予定である。

「男女対決」の歴史

テニスの男女対抗試合は、過去にも行われている。1973年、ビリー・ジーン・キングがボビー・リッグスの挑戦を受けた試合が最も有名である。

リッグスは、1940年代に男子世界ランク1位になり、1951年に引退している。彼は55歳のとき、女子のトップ選手に勝てると信じていた。

当初キングは、リッグスと試合するのを拒否した。彼女の代わりに、そのとき女子世界ランク1位だったマーガレット・コートが、リッグスと対戦した。リッグスは、6-2、6-1で勝利した。

しかし同じ年の終わり、ヒューストン・アストロドームで行われたエキシビションマッチで、女子世界ランク1位のキングはリッグスと対戦した。キングは29歳で、リッグスより26歳若かった。彼女は6-4、6-3、6-3で勝利した。

3回目の「男女対決」は、1992年に行われた。当時40歳の元男子世界ランク1位ジミー・コナーズと、当時35歳のマルチナ・ナブラチロワが対戦した。

試合は差が出ないように、特別ルールで行われた。コナーズは各ポイント1回しかサーブを認められず、ナブラチロワはダブルスコートの半分の位置までショットが認められた。コナーズが、7-5、6-2で勝利している。


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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John McEnroe Thinks He Could Beat Serena Williams (2015.8)



(動画:Jimmy Kimmel Live)

2015年8月、全米オープン開幕前にABCのトークショーに出演したマッケンロー氏。
まずは自分が4回優勝している自慢話からスタート。
セレナ・ウィリアムズ選手の年間グランドスラム達成にもお墨付きを与えます。(結果は準決勝敗退)
その後「もし今試合したら、オレはセレナに勝てる」と豪語します。
でも「リング上では勝てないよ」とアメリカン・ジョークでオチを付けます。(失笑)

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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現役時代のことはよく知りませんが、「悪童」と言われたマッケンローも58歳。あと2年で還暦です。
そろそろ落ち着いてもよい頃ではないでしょうか。


テレビ解説者をしていて、人気もあるので、いろいろと発言を求められるのはわかります。
でも自分の発言の影響力くらい想像できるし、それを考えて発言しないとダメでしょ。


「セレナは男子700位」だけでなく、つい最近「マレーはBIG3から遠く離れた4番目」という発言もしています。
普通ならテニス界から干されてもおかしくないレベルの暴言です。
実績と人気があれば、何を言ってもよいのかと思ってしまいます。


挙句の果てに「セレナを男子の700位と戦わそうぜ!」というのは、ちょっと調子に乗り過ぎじゃないでしょうか。

ボビー・リッグス氏は「女子のトップに勝てる」と発言した後、55歳の老体にムチ打って本当に試合をしています。
ある意味、自分の発言に対して責任を取ったわけです。


マッケンローも当時のリッグス氏と同じくらいの年齢です。2年前には「セレナに勝てる」と豪語しています。
男女対抗試合を提案するなら、まず自分が体を張ってセレナと戦うべきです。


もし本当に体を張ったら、マッケンローを男として見直します。



(了)


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