今日のキーワード「make one's mark」(成功する) - 「杉田、フェデラーの祝福を受ける」 | テニス | ウィンブルドン

こんにちは。tennisshiroです。

ウィンブルドン2日目、1回戦全試合が終わりました。フェデラー選手やジョコビッチ選手も登場し、ともに相手の途中棄権により順当に2回戦に勝ち上がっています。初日のワウリンカ選手敗退のような大きな波乱はありませんでした。

先日ツアー初優勝した杉田選手も登場し、危なげない試合展開でグランドスラム初勝利を上げています。

その杉田選手が憧れのフェデラー選手から声を掛けられたそうです。
今日はそのニュースを取り上げます。

杉田祐一、ウィンブルドン (画像:ATP Tour, Inc.)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.今日のキーワード
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【make one's mark    成功する】

今日のキーワードは「make one's mark」です。
名詞「mark」は、ここでは「目印」とか「(足)跡」の意味で使われています。
「make one's mark」を直訳すると、「自分の目印を付ける」、「自分の足跡を残す」になります。
ですので「make one's mark」は、「有名になる」、「成功する」という意味になります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.ボキャブラリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・Yuichi Sugita : 杉田祐一。日本国籍。28歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝1回。現在44位 (最高44位)。
・Roger Federer : ロジャー・フェデラー。スイス国籍。35歳。右利き、片手バックハンド。グランドスラム優勝18回、マスターズ優勝26回、ツアー優勝92回。現在5位 (最高1位)。
・All England Club : オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ。ウィンブルドンの会場。
・ply one's trade : 仕事に取り組む、商売に励む。ここではATPおよびITFの大会に参加し始めたことを指す。
・Open Era : オープン化以降。グランドスラムにプロ選手の参加が認められた1968年以降のこと。1968年より前はアマチュア選手だけが参加していた。
・The Championships : ウィンブルドンの正式名称「The Championships, Wimbledon」のこと。
・ATP World Tour : 男子プロテニスを統括するATP(Association of Tennis Professionals)が運営するツアー大会。 通常ツアー大会とは、ATP250シリーズ以上の大会のことを指し、ATP下部大会の「チャレンジャー」やITFサーキットの「フューチャーズ」は含まない。
・major : グランドスラム。テニス4大大会のこと。
・Brydan Klein : ブライダン・クライン。イギリス国籍。27歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝なし。現在151位 (最高118位)。
・capitalise on : 活かす。
・lucky loser : 本戦出場予定者の欠場により、予選敗退者が繰り上がりで本戦に出場すること。
・Kei Nishikori : 錦織圭。日本国籍。27歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝11回。現在9位 (最高4位)。
・Barcelona Open : バルセロナ・オープン。ATP500シリーズの大会。クレーコート。開催地はスペイン・バルセロナ。
・Tommy Robredo : トミー・ロブレド。スペイン国籍。35歳。右利き、片手バックハンド。ツアー優勝12回。現在190位 (最高5位)。
・Richard Gasquet : リシャール・ガスケ。フランス国籍。31歳。右利き、片手バックハンド。ツアー優勝14回。現在27位 (最高7位)。
・Pablo Carreno Busta : パブロ・カレーニョ・ブスタ。スペイン国籍。25歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝3回。現在17位 (最高17位)。
・no slouch : 上手な人、得意な人。
・red dirt : 赤土。クレーコートのこと。
・Dominic Thiem : ドミニク・ティエム。オーストリア国籍。23歳。右利き、片手バックハンド。ツアー優勝8回。現在8位 (最高7位)。
・Antalya Open : アンタルヤ・オープン。ATP250シリーズの大会。グラスコート。開催地はトルコ・アンタルヤ。
・Shuzo Matsuoka : 松岡修造。現役時代、ツアー優勝1回の成績を残す。最高ランキング46位。
・Adrian Mannarino : アドリアン・マナリノ。フランス国籍。29歳。左利き、両手バックハンド。ツアー優勝なし。現在51位 (最高27位)。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.原文
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Sugita Congratulated By Federer At Wimbledon】

There was a touching moment in the bowels of the All England Club on Tuesday, seen by only a few. As Yuichi Sugita sat and waited in the corridor for the start of his first press conference as a match winner at a Grand Slam championship, the great champion Roger Federer stopped by to congratulate the Japanese on his recent success.

Sugita, who has plied his trade since 2003, was visibly touched. It was a sign of mutual respect between pros, one the winner of an Open Era record 85 matches at The Championships, the other starting to make his mark on the ATP World Tour in 2017.

At 28 years of age, Sugita has been a solid performer on the ATP Challenger Tour circuit – already a winner of three titles this year (nine overall) – but in recent months, since dropping to No. 134 in late February, the Japanese has seen his hard work pay off.

Fuelled by the Japanese cooking of his mother, Sugita recorded his first match win at a major on Tuesday in beating Brydan Klein 7-6(5), 6-3, 6-0 in two hours and seven minutes.

“I played really well in the second and third,” Sugita, who was not broken and hit 29 winners, told ATPWorldTour.com. “He drop-shotted me a lot in the first set, and it was really difficult to play against him at first. But after the second set, I began to dominate.”

Training hard on and off the practice courts has effected a rise up the Emirates ATP Rankings – ever since he capitalised on a lucky loser spot – following the withdrawal of his compatriot Kei Nishikori – at the Barcelona Open Banc Sabadell. He beat Tommy Robredo, Richard Gasquet and Pablo Carreno Busta – all no slouches on red dirt – before falling to eventual finalist Dominic Thiem.

That run, importantly, has given the softly spoken Sugita access to ATP World Tour tournaments on a regular basis.

“Before I was really up and down,” said Sugita. “Sometimes I played well, but sometimes I didn’t and tennis is a tournament, you have to win multiple matches.”

“Before, I had to play a lot of tournaments to really catch Rankings points. I was also thinking a lot, too much. But now, I am able to have good training blocks and the work I undertook from last year has carried over in 2017."

In winning the Antalya Open last week, his first ATP World Tour title, Sugita completed the “most emotional week of his career”. As the third Japanese to win a tour-level title – joining Shuzo Matsuoka (1992 Seoul) and Nishikori (11 titles) – Sugita has risen to a career-high No. 44 in the Emirates ATP Rankings.

“Now I can play five matches,” said Sugita. “I know I can win a tournament. I can focus on five matches - this is a really big important improvement in my mental approach to tennis.”

Sugita will now challenge France's Adrian Mannarino - the player he beat in the Antalya final on Saturday.



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4.日本語訳
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【杉田、フェデラーの祝福を受ける】

目撃したのはわずか数人だった。しかし、オール・イングランド・クラブ内で感動的な出来事が起きた。杉田祐一は、グランドスラム初勝利後、グランドスラム初の試合後会見を廊下で待っていた。そのとき通りかかった王者ロジャー・フェデラーは、杉田の前で立ち止まり、先週のアンタルヤ・オープン初優勝を祝福した。

杉田は2003年からツアー下部大会に参加している。杉田が感激しているのは明らかだった。プロ同士のお互いに対する尊敬が表れていた。片やオープン化以降ウィンブルドン最多85勝を記録した者、片や今年のATPツアーで成功を収めたばかりの者である。

28歳の杉田は、チャレンジャー大会で安定した成績を残してきた。すでに今年3回優勝している(通算9勝)。2月下旬に134位までランキングを落としたが、それ以降は彼の努力が実を結んでいる。

母親の手料理で体力を回復した杉田は、グランドスラム初勝利を飾った。7-6、6-3、6-0でブライダン・クラインを下し、2時間7分の試合を制した。

「第2、第3セットは良いプレーができた。第1セット、クラインはドロップショットを多用したが、最初は対応に苦しんだ。第2セット以降は、試合を支配できた」とATPWorldTour.comに杉田は語った。杉田はブレークを一度も許さず、29本のウィナーを決めた。

コート内外の厳しい練習のおかげで、ランキングが上昇した。バルセロナ・オープンで、同じ日本の錦織欠場により生まれたラッキールーザー枠を活かした。決勝進出したドミニク・ティエムに敗れるまで、トミー・ロブレド、リシャール・ガスケ、パブロ・カレーニョ・ブスタらのクレー巧者を連破した。

その活躍のおかげで、杉田は定期的にツアー大会に出場できるようになった。

「昔は調子のアップダウンが激しかった。ある試合で良いプレーができても、次の試合でできないことがあった。テニスはトーナメント形式なので、複数の試合に勝つ必要がある」と杉田は語った。

「以前はランキング・ポイントを取るために、多くの大会に参加する必要があった。また余計なことを考え過ぎていた。でも今は良い練習ができているし、去年から取り組んだことが今年結果として現れている」

杉田は、先週のアンタルヤ・オープンでツアー・タイトルを初めて獲得し、自身のテニスキャリアにおける最も感動的な1週間を過ごした。松岡修造(1992年韓国オープン優勝)、錦織圭(優勝11回)に続き、ツアー優勝した3人目の日本人になり、ランキングは44位まで上昇した。

「今は5試合戦える。5試合集中できる。ツアー大会で優勝できることもわかった。精神面において非常に大きな進歩をした」と杉田は語った。

杉田はウィンブルドン2回戦でアドリアン・マナリノと対戦する。先週土曜日アンタルヤ・オープン決勝では、杉田が勝っている。


(Translated by tennisshiro)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5.関連動画
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Highlights: Kei Nishikori/Yuichi Sugita (JPN) v Artem Smirnov/Sergiy Stakhovsky (UKR)



(動画:Davis Cup by BNP Paribas)

昨年のデビスカップ、ワールドグループ入れ替え戦、日本vsウクライナの模様。
杉田選手が錦織選手とダブルスを組み、ウクライナ・ペアと戦っています。
錦織選手は2006年全仏ジュニアでダブルス優勝しているので、ダブルスも上手いです。
杉田選手も錦織選手といい間合いで、要所要所でポイントを決めています。
ちなみにウクライナ・ペアの1人が、今日2回戦で錦織選手と対戦するスタコフスキー選手です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6.その他のニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7.編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

杉田選手がグランドスラム初勝利を飾りました。おめでとうございます。

アンタルヤ・オープンの疲れが残っているにもかかわらず、昨日は終始安定した試合運びで勝利をつかみました。ツアー優勝が自信になっていることは間違いないですね。

次はアンタルヤでも戦ったマナリノ選手です。マナリノ選手からしたら初優勝を奪われた相手ですし、同じ相手に連敗したくないはずです。かなりの気合でゲームに入って来ることは間違いないです。

その相手を返り討ちにして、さらに上を目指して欲しいです。

それにしても、フェデラー選手は人としても素晴らしいですね。
杉田選手の甲高い声がさらに高くなったんだろうと想像しています。



(了)


本サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を禁止します。
Copyright(C) Around The Court  by tennisshiro, 2017  All Rights Reserved.

コメント

このブログの人気の投稿

今日のキーワード「wouldn't put it past someone」(...ならやりかねない) - 「キリオス、ウィンブルドンには間に合う」 | テニス |エイゴン選手権

今日のキーワード「thirtysomething」(30代) - 「フェデラー、敗退を逃れる」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「all for it」(大賛成) - 「マッケンロー、男女対決を提案」 | テニス | その他

今日のキーワード「tank」(無気力になる) - 「睡眠不足警報」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「take a toll」(負担になる) - 「大会一番の番狂わせ」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「square off」(対決する) - 「全米オープン2日目、王者登場」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「red-hot」(絶好調な) - 「クビトバが反撃」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「wheels come off」(歯車が狂い始める) - 「大坂、ゲームを支配」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「barnburner」(白熱した試合) - 「タイブレーク続出」 | テニス | 全米オープン