今日のキーワード「take a toll」(負担になる) - 「大会一番の番狂わせ」 | テニス | 全米オープン

こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。


今年最後のグランドスラム、全米オープンはナダル選手の優勝で幕を閉じました。これで全米オープン優勝は3回目、グランドスラム優勝は16回目になります。

ファーストウィークでもたついている印象もありましたが、セカンドウィーク以降はきっちりと調子を上げて、勝利を積み重ねました。

得意なストロークの打ち合いはもちろん、ドロップショットによる前後の揺さぶり、浅いスライスで前に食い付かせた後のパッシング、甘いリターンを見逃さないネットプレーなど、変幻自在な攻撃で相手に付け入るスキを与えませんでした。

ナダル選手と真っ向から打ち合っても勝ち目がないので、対戦相手はショットの種類や自分のポジションを変えながら、ナダル選手に揺さぶりを掛ける必要があります。今大会はそれをナダル選手に先にやられてしまい、なすすべ無しという感じでした。

フェデラー選手が背中に不安を抱えている今、ナダル選手を止められるのは高速サーフェスくらいじゃないでしょうか?今年残りのアジア・ヨーロッパの大会も、ナダル選手を中心にして優勝争いが展開されそうです。

全米オープン公式サイトが、大会閉幕に当たり総括をしています。ベストプレイヤー(ナダル選手)、ベストマッチ(デルポトロvsティエム)などを選び、様々な記録(女子優勝のスティーブンス選手のランキング(83位)が、オープン化以降最下位であることなど)を紹介しています。

その中で「Upset of the Tournament」(大会一番の番狂わせ)として、大坂選手がケルバー選手を破った試合が選ばれています。

今日はその話題を取り上げます。

大坂なおみ、アンゲリク・ケルバー、全米オープン2017 (画像:Sporting News Media)

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1.今日のキーワード
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【take a toll    負担になる】

今日のキーワードは「take a toll」です。

名詞「toll」は「(電話の)通話料金」や「(道路の)通行料金」など、費用や負担のことです。
動詞「take」は、ここでは「...を必要とする」という意味で使われています。
ですので「take a toll」で「費用/負担を必要とする」つまり「負担になる」という意味になります。

「take a toll」は金銭面だけでなく、心理的・肉体的な負担に対しても使用できます。
「take a toll on ...」(...の負担になる)の形で、使用されるのが一般的です。

本文では、「on」以下が大坂選手であることが明白なので、省略されています。

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2.ボキャブラリー
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・rife : 流行して、広まって。
・reverberate : 繰り返し語られる。
・Naomi Osaka : 大坂なおみ。日本国籍。19歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝なし。現在46位 (最高40位)。
・Angelique Kerber : アンゲリク・ケルバー。ドイツ国籍。29歳。左利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝2回、ツアー優勝10回。現在14位 (最高1位)。
・pasting : 完敗。
・desultory : まとまりのない、散漫な。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【2017 US Open Recap】

Upset of the Tournament

In a tournament rife with upsets, nothing reverberated through the record books quite like Naomi Osaka defeating Angelique Kerber in the opening round.

(中略)

Osaka would go on to reach the third round, admitting that the attention that followed her Kerber win took a bit of a toll. But the Osaka product – really, she was born in Osaka, Japan – and Florida resident nonetheless charmed the Open with her talent and personality, and her dynamic game is one that should translate to Flushing’s concrete floors for years to come.



※ 全文は引用元をご参照ください。

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4.日本語訳
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【全米オープン2017 まとめ】

"Upset of the Tournament" (大会最大の番狂わせ)

今大会の1回戦、大坂なおみがアンゲリク・ケルバーを破った。今大会は番狂わせが多かったので、この試合と同等の試合では、記録上話題になることはなかった。

6-1、6-3の完勝というスコアは驚異的だったが、勝敗自体は必ずしも驚きではなかった。19歳の大坂は女子テニス界では期待の新星である。ケルバーは散々なシーズンを送っており、今年はトップ20に対する勝利がないまま、全米オープンを迎えていた。

しかし、この試合の結果は歴史的な重要性を持っていた。ケルバーはこの敗戦により、1887年に始まった大会史上において、初戦敗退を喫した3人目の前年優勝者になった。

1人目は、1999年セドリック・ピオリーンと対戦し、第5セットに負傷棄権を余儀なくされたパトリック・ラフター。2人目は、2005年の開幕戦で、エカテリーナ・ビチコバに敗れたスベトラーナ・クズネツォワである。

ケルバーに勝利した後、大坂は3回戦に進出している。だが注目度が高まったために、少しプレッシャーがかかったことを認めている。それでも大阪生まれ、フロリダ在住の大坂は、その才能と個性で全米オープンの観衆を魅了した。

彼女のダイナミックなテニスは、今後何年にもわたり、フラッシング・メドウズのハードコートで見られるはずだ。


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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US Open highlights: Angelique Kerber falls to Naomi Osaka



(動画:WTA Tour, Inc.)

今年の全米オープン、女子シングルス1回戦、大坂vsケルバーのハイライト動画。
ノープレッシャーでテニスを楽しんでいる大坂選手。
若手の勢いに押されて、プレッシャーがかかる前年王者のケルバー選手。
両選手の表情が対照的です。

ケルバー選手を圧倒した後、大坂選手はこのまま勢いに乗ると思われました。
ですが2、3回戦で、逆にプレッシャーに苦しむことになったのは残念です。

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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昨日の男子シングルス決勝を以て、今年最後のグランドスラムの全米オープンが終わりました。

ですが、まだ今シーズンが終わったわけではありません。アジアとヨーロッパに舞台を移して、ハードコートシーズンは続いていきます。

日本でもATPツアー大会が1大会、WTAツアー大会が2大会、連続で開催されます。

私もWTAツアー2大会、ジャパン・ウィメンズ・オープンと東レ・パンパシフィック・オープンを見に行きます。両大会とも週末に行く予定ですが、日本人選手が勝ち残っていて欲しい・・・と思っています。
(JWOで日本人が勝ち残っていない場合、たぶん東レPPO予選に切り替えます)


今日は伊達選手を始め、日本人トップ選手がそろって登場します。見に行きたかったです。

日本の大会なので、日本人選手が勝つと当然盛り上がります。全米オープン女子では準決勝以降全員アメリカ人になりましたが、JWOでもそれに近い状況になることを期待しています。



(了)


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