今日のキーワード「barnburner」(白熱した試合) - 「タイブレーク続出」 | テニス | 全米オープン
こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。
全米オープン9日目は、男女ともにボトムハーフ側の準々決勝の2試合が行われました。
男子ではカレノ=ブスタ選手、アンダーソン選手、女子ではスティーブンス選手、ビーナス・ウィリアムズ選手が準決勝に勝ち上がっています。全4試合中3試合がタイブレークで決着する白熱した一日になりました。
その中でも白熱していた、ビーナスvsクビトバの試合に関する記事を取り上げます。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。
全米オープン9日目は、男女ともにボトムハーフ側の準々決勝の2試合が行われました。
男子ではカレノ=ブスタ選手、アンダーソン選手、女子ではスティーブンス選手、ビーナス・ウィリアムズ選手が準決勝に勝ち上がっています。全4試合中3試合がタイブレークで決着する白熱した一日になりました。
その中でも白熱していた、ビーナスvsクビトバの試合に関する記事を取り上げます。
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1.今日のキーワード
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【barnburner 白熱した試合】
今日のキーワードは「barnburner」です。
「barn」は「納屋」、「burner」は「燃やす人」という意味です。
昔、納屋に寄生するネズミを退治するために、納屋自体を燃やした人がいるそうです。
それを見た近隣住民は、当然「火事だ、火事だ」と騒ぎ立て、ある種興奮した状況になったようです。
「barnburner」は人々を興奮に駆り立てること、スポーツにおいては「白熱した試合」という意味になります。
「barnburner」はアメリカの俗語で、4大スポーツ(MLB、NFL、NBA、NHL)のTV中継や新聞記事などでも、よく用いられます。
「barn」は「納屋」、「burner」は「燃やす人」という意味です。
昔、納屋に寄生するネズミを退治するために、納屋自体を燃やした人がいるそうです。
それを見た近隣住民は、当然「火事だ、火事だ」と騒ぎ立て、ある種興奮した状況になったようです。
「barnburner」は人々を興奮に駆り立てること、スポーツにおいては「白熱した試合」という意味になります。
「barnburner」はアメリカの俗語で、4大スポーツ(MLB、NFL、NBA、NHL)のTV中継や新聞記事などでも、よく用いられます。
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2.ボキャブラリー
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・Petra Kvitova : ペトラ・クビトバ。チェコ国籍。27歳。左利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝2回、ツアー優勝20回。現在14位 (最高2位)。
・Venus Williams : ビーナス・ウィリアムズ。アメリカ国籍。37歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝7回、ツアー優勝49回。現在9位 (最高1位)。
・Sjogren’s Syndrome : シェーグレン症候群。涙や唾液の分泌に障害をきたす自己免疫疾患。
・squander : 浪費する。
・caliber : 品質。
上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。
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3.原文
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【Day 9 Recap: Tiebreaks rule the day】
Match of the Day
It was the most eagerly anticipated encounter of the day, a matchup of two great stories and two supreme ball-strikers: two-time Wimbledon champion Petra Kvtiova against seven-time Grand Slam titlist Venus Williams -
(中略)
It was another classic duel from a pair who produced one of the finest encounters in recent memory – a three-set barnburner at Wimbledon 2014 won by the Czech, 5-7, 7-6, 7-5.
(後略)
(引用元 US Open:http://www.usopen.org/en_US/news/articles/2017-09-05/2017-09-05_day_9_recap_tiebreaks_rule_the_day_venus_owns_the_night.html)
※ 全文は引用元をご参照ください。
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4.日本語訳
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【9日目まとめ:タイブレークが続出した日】
"Match of the Day" (今日のベストゲーム)
この日、最も期待された試合だった。卓越したハードヒッターであると同時に、感動的なストーリーを持つ2人。ウィンブルドン2回優勝のペトラ・クビトバが、グランドスラム7回優勝のビーナス・ウィリアムズと対戦した。
クビトバは昨年12月、キャリアを脅かす凄惨な強盗事件に遭い、その事件で負ったケガからの復帰途上である。ビーナスはシェーグレン症候群と闘っていたこともあり、キャリア最高成績を収めてから7年が経過する。
2人のストーリーは、観客の興味を惹きつけるのに十分だった。そして今夜の試合も観客を惹きつけた。2人のチャンピオンは試合中、サービスエースを決め、こぶしを突き上げた。試合開始時には屋根が開放されていたが、終了時には閉鎖されていた。
結局ビーナスが、最終セットのタイブレークでほぼ完ぺきなプレーを見せ、2010年以来初の全米オープン準決勝進出を決めた。また今大会の準決勝進出により、2011年1月以来初のトップ5入りが確定した。
最高の試合の一つとして記憶に残る戦いを、2人は繰り広げてきた。2014年のウィンブルドンで、3セットに及ぶ白熱した試合を行い、クビトバが5-7、7-6、7-5で勝っている。
今日の対戦でも、新たな最高クラスの試合が生まれた。過去の試合同様、今日の試合もクオリティが高く、通常考えられないレベルに達していた。2人は今日を含めて6回対戦し、6試合とも3セットを戦っている。うち3試合は最終セットでタイブレークを戦い、別の1試合では7-5で決着している。
両選手とも勝機を活かせずに苦しんだ。ビーナスは11回中3回しかブレークに成功していない (クビトバは4回中3回ブレークに成功)。クビトバは最終セットの3-1のリードを守ることができなかった。
それでもこの試合では、高い技術、フラット系のフォアハンドとレーザービームのようなバックハンドの打ち合い、最高のドラマが見られた。人々の記憶に残る試合になることになるだろう。
決勝戦に匹敵する試合であり、戦前の期待にたがわぬ試合だった。2人は死力を尽くして戦った。大いに称賛されるべきだ。
この日、最も期待された試合だった。卓越したハードヒッターであると同時に、感動的なストーリーを持つ2人。ウィンブルドン2回優勝のペトラ・クビトバが、グランドスラム7回優勝のビーナス・ウィリアムズと対戦した。
クビトバは昨年12月、キャリアを脅かす凄惨な強盗事件に遭い、その事件で負ったケガからの復帰途上である。ビーナスはシェーグレン症候群と闘っていたこともあり、キャリア最高成績を収めてから7年が経過する。
2人のストーリーは、観客の興味を惹きつけるのに十分だった。そして今夜の試合も観客を惹きつけた。2人のチャンピオンは試合中、サービスエースを決め、こぶしを突き上げた。試合開始時には屋根が開放されていたが、終了時には閉鎖されていた。
結局ビーナスが、最終セットのタイブレークでほぼ完ぺきなプレーを見せ、2010年以来初の全米オープン準決勝進出を決めた。また今大会の準決勝進出により、2011年1月以来初のトップ5入りが確定した。
最高の試合の一つとして記憶に残る戦いを、2人は繰り広げてきた。2014年のウィンブルドンで、3セットに及ぶ白熱した試合を行い、クビトバが5-7、7-6、7-5で勝っている。
今日の対戦でも、新たな最高クラスの試合が生まれた。過去の試合同様、今日の試合もクオリティが高く、通常考えられないレベルに達していた。2人は今日を含めて6回対戦し、6試合とも3セットを戦っている。うち3試合は最終セットでタイブレークを戦い、別の1試合では7-5で決着している。
両選手とも勝機を活かせずに苦しんだ。ビーナスは11回中3回しかブレークに成功していない (クビトバは4回中3回ブレークに成功)。クビトバは最終セットの3-1のリードを守ることができなかった。
それでもこの試合では、高い技術、フラット系のフォアハンドとレーザービームのようなバックハンドの打ち合い、最高のドラマが見られた。人々の記憶に残る試合になることになるだろう。
決勝戦に匹敵する試合であり、戦前の期待にたがわぬ試合だった。2人は死力を尽くして戦った。大いに称賛されるべきだ。
(Translated by tennisshiro)
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5.関連動画
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2017 US Open: Road To The QFs Williams vs. Kvitova
(動画:
US Open Tennis Championships)
準々決勝に至るまでのビーナス選手とクビトバ選手の好プレー集。
プレーとしては、ビーナス選手とサッカリ選手のボレー・ボレーの展開が面白いです。
一番「らしい」のは、クビトバ選手がヤンコビッチ戦で見せた3球目攻撃です。
強力なサーブで崩して、3球目を叩くのがクビトバ選手の得意な形です。
プレーとしては、ビーナス選手とサッカリ選手のボレー・ボレーの展開が面白いです。
一番「らしい」のは、クビトバ選手がヤンコビッチ戦で見せた3球目攻撃です。
強力なサーブで崩して、3球目を叩くのがクビトバ選手の得意な形です。
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6.その他のニュース
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【Anderson edges Querrey, surges into first Slam semifinal】
【Venus battles past Kvitova, into semifinals】
【Stephens exhibits true grit in three-set victory】
【Carreno Busta first into semis with straight-set win】
【Venus battles past Kvitova, into semifinals】
【Stephens exhibits true grit in three-set victory】
【Carreno Busta first into semis with straight-set win】
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7.編集後記
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今日は全米オープン女子準々決勝、ビーナスvsクビトバに関する記事を取り上げました。
第1セットはビーナス選手に押され、クビトバ選手は本領を発揮できていませんでした。ですが、第2セット以降、クビトバ選手の良さが出始め、競った展開の試合になりました。
クビトバ選手が第2セット以降良くなったのは、「開き直り」と「粘り強さ」があったからだと考えています。
まず「開き直り」ですが、2ndサーブに「開き直り」が見られました。クビトバ選手が2ndサーブを打つとき、ビーナス選手はベースラインの内側に大きく入って、2ndアタックを狙っていました。
他の選手も同じようなポジションを取りますが、リターンが鋭く、身長も高いビーナス選手が前に入って来ると、他の選手にはない圧力をサーバーは感じるはずです。
クビトバ選手も第1セットはその圧力に押され、ダブルフォルト(DF)を頻発していました。ですが、第2セット以降はDFの頻度を抑え、2ndサーブのポイント獲得率を高めています。
【2ndサーブに対するDFの比率】 第1set:4/10(40.0%) → 第2set:3/18 (16.7%) → 第3set:2/15 (13.3%)
【2ndサーブのポイント獲得率】 第1set:30% → 第2set:44% → 第3set:60%
第1セットは2ndサーブを叩かれることを恐れて、慎重になり過ぎてDFを犯していました。ですが、サーブを入れないことには当然ポイントを取れないので、ビーナス選手の2ndアタックを恐れず、開き直ってサーブを入れることに集中したと思われます。
2ndサーブが良くなると、1stサーブに掛かるプレッシャーも少なくなり、サーブ全体の質が上がります。そのおかげかどうかは分かりませんが、結局この試合、ビーナス選手からリターンウィナーを1本も取られていません。
次に「粘り強さ」ですが、第2セット以降ブレークポイントを我慢強くしのいでいます。ブレークポイントのセーブに関するスタッツを見ると一目瞭然です。
【ブレークポイントセーブ率】 第1set:0/2 (0%)、第2set:5/5 (100%)、第3set:3/4 (75%)
第1セットでは2回あったブレークポイントを1回もしのげませんでしたが、第2セットは5回全部、第3セットは4回中3回しのいでいます。
第2セット以降粘り強く戦い、ことごとくブレークポイントをセーブしたことにより、自分に流れを引き寄せることに成功しています。
しかし、第2セット以降に見せた「開き直り」と「粘り強さ」を一番の勝負どころで発揮できなかったために、負けてしまいました。
一番の勝負どころというのは、第3セットの第6ゲームです。クビトバ選手は1ブレークアップ、ゲームカウント3-2で自分のサービスを迎えています。ここをキープすれば、ゲームカウント4-2になり、これ以上サービスを落とせないビーナス選手に、大きなプレッシャーをかけることができました。
クビトバ選手は順調にポイントを先行し、30-0とします。ですが、ここからアンフォーストエラー2本を含む3ポイントを連取され、30-40になってしまいます。
この場面でクビトバ選手は、第2セット以降見せていた「開き直り」と「粘り強さ」を発揮できませんでした。開き直って入れていたサーブが入らず、痛恨のDFを犯し、第2セット以降では唯一となるブレークを最も重要な場面で許してしまいました。
この後はお互いにサービスをキープし合い、タイブレークに突入しますが、タイブレークでギアを上げたビーナス選手に振り切られてしまいました。
これでボトムハーフはアメリカ人同士の準決勝になります。今日の第1試合でトップハーフの1人は、やはりアメリカ人(バンダウェイ選手)に決まりました。
オール・アメリカンの準決勝になるかどうかは、キーズ選手次第になりました。相当なプレッシャーがかかると思われます。ある意味、気の毒です・・・。
(個人的にはオール・アメリカンじゃない方がよいと思っています。「内輪」で盛り上がられても・・・という感覚があります)
第1セットはビーナス選手に押され、クビトバ選手は本領を発揮できていませんでした。ですが、第2セット以降、クビトバ選手の良さが出始め、競った展開の試合になりました。
クビトバ選手が第2セット以降良くなったのは、「開き直り」と「粘り強さ」があったからだと考えています。
まず「開き直り」ですが、2ndサーブに「開き直り」が見られました。クビトバ選手が2ndサーブを打つとき、ビーナス選手はベースラインの内側に大きく入って、2ndアタックを狙っていました。
他の選手も同じようなポジションを取りますが、リターンが鋭く、身長も高いビーナス選手が前に入って来ると、他の選手にはない圧力をサーバーは感じるはずです。
クビトバ選手も第1セットはその圧力に押され、ダブルフォルト(DF)を頻発していました。ですが、第2セット以降はDFの頻度を抑え、2ndサーブのポイント獲得率を高めています。
【2ndサーブに対するDFの比率】 第1set:4/10(40.0%) → 第2set:3/18 (16.7%) → 第3set:2/15 (13.3%)
【2ndサーブのポイント獲得率】 第1set:30% → 第2set:44% → 第3set:60%
第1セットは2ndサーブを叩かれることを恐れて、慎重になり過ぎてDFを犯していました。ですが、サーブを入れないことには当然ポイントを取れないので、ビーナス選手の2ndアタックを恐れず、開き直ってサーブを入れることに集中したと思われます。
2ndサーブが良くなると、1stサーブに掛かるプレッシャーも少なくなり、サーブ全体の質が上がります。そのおかげかどうかは分かりませんが、結局この試合、ビーナス選手からリターンウィナーを1本も取られていません。
次に「粘り強さ」ですが、第2セット以降ブレークポイントを我慢強くしのいでいます。ブレークポイントのセーブに関するスタッツを見ると一目瞭然です。
【ブレークポイントセーブ率】 第1set:0/2 (0%)、第2set:5/5 (100%)、第3set:3/4 (75%)
第1セットでは2回あったブレークポイントを1回もしのげませんでしたが、第2セットは5回全部、第3セットは4回中3回しのいでいます。
第2セット以降粘り強く戦い、ことごとくブレークポイントをセーブしたことにより、自分に流れを引き寄せることに成功しています。
しかし、第2セット以降に見せた「開き直り」と「粘り強さ」を一番の勝負どころで発揮できなかったために、負けてしまいました。
一番の勝負どころというのは、第3セットの第6ゲームです。クビトバ選手は1ブレークアップ、ゲームカウント3-2で自分のサービスを迎えています。ここをキープすれば、ゲームカウント4-2になり、これ以上サービスを落とせないビーナス選手に、大きなプレッシャーをかけることができました。
クビトバ選手は順調にポイントを先行し、30-0とします。ですが、ここからアンフォーストエラー2本を含む3ポイントを連取され、30-40になってしまいます。
この場面でクビトバ選手は、第2セット以降見せていた「開き直り」と「粘り強さ」を発揮できませんでした。開き直って入れていたサーブが入らず、痛恨のDFを犯し、第2セット以降では唯一となるブレークを最も重要な場面で許してしまいました。
この後はお互いにサービスをキープし合い、タイブレークに突入しますが、タイブレークでギアを上げたビーナス選手に振り切られてしまいました。
これでボトムハーフはアメリカ人同士の準決勝になります。今日の第1試合でトップハーフの1人は、やはりアメリカ人(バンダウェイ選手)に決まりました。
オール・アメリカンの準決勝になるかどうかは、キーズ選手次第になりました。相当なプレッシャーがかかると思われます。ある意味、気の毒です・・・。
(個人的にはオール・アメリカンじゃない方がよいと思っています。「内輪」で盛り上がられても・・・という感覚があります)
(了)
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