今日のキーワード「high five」(ハイタッチ) - 「ジョコビッチ、アガシコーチと白星スタート」 | テニス | 全仏オープン

こんにちは。tennisshiroです。

全仏オープンも2日目、1回戦の試合がどんどん開催されています。
女子第1シード・ケルバー選手の初戦敗退を除けば、概ね上位選手は勝ち上がっています。

日本勢では、杉田祐一選手が2セットダウンから巻き返し、フルセットまでS.ジョンソン選手を追い詰めましたが、グランドスラム初勝利とはなりませんでした。また土居美咲選手も、前哨戦ニュルンベルクで痛めた腹筋痛が再発し、エラーニ選手に敗れています。
 
さて今日の話題ですが、アガシ氏とコンビを組み、初めての試合を戦ったジョコビッチ選手を取り上げます。

ノバク・ジョコビッチ、全仏オープン(画像:CNN International Edition
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.今日のキーワード
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【high five    ハイタッチ】

今日のキーワードは「high five」 です。
名詞「five」は「5本の指」つまり「手」を意味しています。
「high five」は「高い位置で手を合わせる」ことから「ハイタッチ」という意味になります。
本文では「exchange a high five」(ハイタッチを交わす)の形で使われていますが、
「give ...(人) five」や「slap ...(人) five」の形で使われることもあり、「(喜びで)...と手を合わせる」という意味になります。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.ボキャブラリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・Novak Djokovic : ノバク・ジョコビッチ。セルビア国籍。30歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝12回、マスターズ優勝30回、ツアー優勝67回。現在2位 (最高1位)。
・Andre Agassi : アンドレ・アガシ。現役時代、グランドスラム優勝8回、ツアー優勝60回の成績を残す。最高ランキング1位。
・Marcel Granollers : マルセル・グラノイェルス。スペイン国籍。31歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝4回。現在77位 (最高19位)。
・French Open : 全仏オープン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。クレーコート。開催地はフランス・パリ。
・blustery : 風が激しい、荒れ狂う。
・nippy : 凍てつくような。
・grand slam : グランドスラム。テニス4大大会のこと。
・year's second major : 全仏オープン。テニス4大大会のうち年間2番目に開催される全仏オープンのことを指す。
crystal meth : メタンフェタミン。日本では覚せい剤取締法により覚醒剤に指定。商品名としてはヒロポンの名でも知られる。
・Brooke Shields : ブルック・シールズ。アメリカの女優・モデル。1997年にアガシと結婚するが、2年後の1999年に離婚。
・Rod Laver : ロッド・レーバー。全豪オープンの会場であるメルボルン・パークのセンターコートにその名が冠されている伝説的な人物。現役時代、グランドスラム優勝11回、年間グランドスラム2回の成績を残す。
・Roland Garros : ローラン・ギャロス。全仏オープンの会場。しばしば全仏オープンそのものを指す。
・elaborate : 詳しく述べる。
・Australian Open : 全豪オープン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。ハードコート。開催地はオーストラリア・メルボルン。
・Denis Istomin : デニス・イストミン。ウズベキスタン国籍。30歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝1回。現在80位 (最高33位)。
・entourage : 側近、取り巻き。
・Marian Vajda : マリアン・バイダ。ノバク・ジョコビッチの元コーチ。現役時代、ツアー優勝2回。最高ランキング34位。
・Philippe Chatrier : フィリップ・シャトリエ。全仏オープンの会場であるローラン・ギャロスのセンターコート。
・Boris Becker : ボリス・ベッカー。ノバク・ジョコビッチの元コーチ。現役時代、グランドスラム優勝6回、ツアー優勝49回の成績を残す。最高ランキング1位。
・Open Era : オープン化以降。グランドスラムにプロ選手の参加が認められた1968年以降のこと。1968年より前はアマチュア選手だけが参加していた。
・Rafael Nadal : ラファエル・ナダル。スペイン国籍。30歳。左利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝14回、マスターズ優勝30回、ツアー優勝72回。現在4位 (最高1位)。
 
上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.原文
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Djokovic, Agassi partnership off to winning start】 

So far, so good in the Novak Djokovic-Andre Agassi partnership.

Okay, so it has only been one match but the Serb ensured a solid start to the high-profile collaboration when he beat Marcel Granollers 6-3 6-4 6-2 in the first round of the French Open.

Indeed, it was just about the perfect start for the defending champion. He was tested -- playing nearly two-and-a-half hours -- but also went through in straight sets on a hot, blustery day in southwest Paris. The conditions countered last year's first week -- nippy, wet and generally unpleasant for all involved.

Djokovic turned to the retired eight-time grand slam winner on the eve of the year's second major after admitting he had been in "crisis" for much of the last 10 months.

He said he had come away "impressed" after reading Agassi's controversial autobiography, 'Open,' in which the American revealed he failed a drug test for crystal meth -- then lied to the ATP about how it got into his system -- never liked tennis growing up and discussed his failed marriage to actress Brooke Shields.

"So many things at the time, when I personally read it, were quite shocking," Djokovic told reporters. "But what I was very impressed about was his honesty and transparency and willingness to share his life's experience that one human being goes through.

"Even though sometimes the top athletes are regarded as perfect people, flawless people, it's not like that. We all have our flaws.

"And what I think made him different from maybe others is that he was willing to share those flaws and really allowing people to understand that we all go through those moments."

After becoming the first man since Rod Laver in 1969 to win four straight majors -- he capped the achievement at Roland Garros 12 months ago to complete the career grand slam -- Djokovic slumped badly by his standards. He surrendered his No. 1 ranking to Andy Murray, admitting to a loss of motivation and "private" issues that he hasn't elaborated on.

His reign at the Australian Open came to an end in abrupt fashion in January, bundled aside by wildcard Denis Istomin in the second round, and days before naming Agassi as his new coach parted company with virtually his entire entourage including longtime, influential coach Marian Vajda.

Agassi looked on from the player's box on court Philippe Chatrier on Monday, smiling when his charge won an epic 38-shot rally in the first set. He was later greeted by Djokovic's former co-coach, Boris Becker, another retired multiple grand slam winner.

"It's obviously the first match that he has watched, courtside from the box, role of a coach, so it was very interesting for me to experience and feel what I'm going to feel on the court when that's happening," Djokovic said.

There was never any real danger of Djokovic being upset in the first round of a grand slam for the first time since the 2006 Australian Open -- Granollers, who likes a grunt or two, had won a combined 10 games in their three prior encounters -- yet Djokovic needed nine set points to put away the Spaniard in the second set.

Ever the gracious sportsman, Djokovic exchanged a high five with Granollers when the latter struck a winner off a fine drop shot in the third.

He'll no doubt be exchanging high fives -- at the least -- with Agassi if he repeats at Roland Garros and becomes the first man in the Open Era to win each of the majors twice. However Agassi is expected to leave Paris after the first week due to prior commitments.

To win again, Djokovic will likely have to go through Rafael Nadal, the tournament favorite. They are in the same half of the draw.


(引用元 CNN International Edition:
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4.日本語訳
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ジョコビッチ、アガシコーチと白星スタート】 

ノバク・ジョコビッチ、アンドレ・アガシのパートナーシップは、これまでのところ順調だ。

確かに1試合を戦っただけだ。しかし全仏オープン1回戦で、ジョコビッチはマルセル・グラノイェルスを6-3、6-4、6-2で下し、高い実績を持つ2人のコンビは堅実にスタートした。

実際、前年優勝者のジョコビッチにとっては、ほぼ完ぺきな初戦だった。パリ南西部の暑く、激しい風が吹く気象条件の中、彼は2時間半近くプレーし、相手からの挑戦を受けたが、ストレートで切り抜けた。昨年のファーストウィークの気象条件は、今年とは対照的だった。非常に寒く、湿度が高く、すべての大会関係者にとって不快な気象条件だった。
 
ジョコビッチはこの10か月間「危機」に瀕していることを認めた後、全仏オープン開幕前、グランドスラム優勝8回の実績を残し引退したアガシをコーチに迎えた。

ジョコビッチは物議を醸したアガシの自伝「Open」を読んだ後、強い印象を受けたと語っている。アガシはその自伝で、メタンフェタミンの薬物検査に引っかかったこと、薬物が体内に取り込まれた過程についてATPに虚偽の申告をしたこと、テニス界が巨大化することに嫌悪感を抱いていたことを告白し、女優ブルック・シールズとの結婚で失敗したことにも言及している。

「一人の人間としてその本を読んだとき、多くのことにショックを受けた。しかし私が強い印象を受けたのは、一人の人間が通り抜けてきた人生経験を共有しようとする、彼の誠実さ、透明性、強い意志だった」とジョコビッチは報道陣に語っている。

「トップアスリートは完璧で欠点がない人間と思われることがあるが、実際にはそうではない。我々はみんな欠点を持っている」

「彼は他の人とは違うと思った。彼は我々みんなが持つ欠点を共有しようとしているし、彼はその欠点を乗り越えていくことに対する人々の理解を深めようとしているからだ」

1年前全仏オープンで生涯グランドスラムを達成すると同時に、1969年のロッド・レーバー以来初めて4大大会を連続で優勝した後、ジョコビッチはひどいスランプに陥った。彼はモチベーションの低下と、詳細には話さなかったが「プライベート」の問題を抱えていることを認め、世界1位の座をアンディ・マレーに譲った。

今年1月の全豪オープンで、ワイルドカード出場のデニス・イストミンに2回戦で敗れ、彼の絶対的な地位は急速に終焉を迎えた。またアガシを新コーチとして指名する数日前、長期にわたり影響力を及ぼしてきたマリアン・バイダを含む、実質的なブレーンたちとの関係をすべて絶った。

今週月曜日、アガシはフィリップ・シャトリエの選手関係者席から試合を観戦した。第1セット、ジョコビッチが38本のロングラリーを制したとき、アガシは微笑んでいた。彼は元コーチのボリス・ベッカーからも挨拶を受けている。ベッカーもグランドスラム優勝6回の実績を残し引退している。

「アガシがコートサイドの関係者席から、コーチとして観戦した最初の試合だ。その状況が起きたとき、コート上でどのような感覚になるかを想像していた。それを実際に経験して、感じることができ、とても楽しかった」とジョコビッチは語った。

2006年の全豪オープン以来のグランドスラム初戦敗退の危険性は、全く無かった。グラノイェルスは今大会で1、2勝はしたいと考えていただろう。しかし過去3回のジョコビッチとの対戦では合計10ゲームしか奪っていなかった。それでもジョコビッチは第2セットを奪うのに、9度のセットポイントを要した。

潔いスポーツマンでもあるジョコビッチは、第3セット、グラノイェルスが素晴らしいドロップショットでウィナーを決めると、彼とハイタッチを交わした。

全仏オープンを連覇し、オープン化以降すべてのグランドスラムを2回ずつ制覇した初めての選手になれば、アガシとハイタッチを交わすことは間違いない。しかしながら、アガシはコーチ就任前から決まっていた仕事のために、ファーストウィーク終了後パリを離れる予定である。

ジョコビッチが再び優勝するためには、今大会の優勝候補ラファエル・ナダルを倒す必要があるだろう。彼らは二人とも、トーナメント表のボトムハーフにいる。

 
(Translated by tennisshiro)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5.関連動画
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

This Granollers around-the-net shot was definitely worthy of a Djokovic high five

全仏オープン1回戦、ジョコビッチvsグラノイェルス戦のドロップショット合戦。
グラノイェルス選手がドロップショットを仕掛け、ジョコビッチ選手が厳しい角度を付けて応戦。
それに追いついたグラノイェルス選手は、ポールの外を巻く形で返球して決着。
「Too Good」な返球なので、ジョコビッチ選手は相手を称えるしかないでしょうね。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6.その他のニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7.編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ジョコビッチ選手がアガシ氏をコーチに迎えて初めての試合で勝利を収めました。
相手はスペイン育ち、ツアー4勝のうち3勝がクレーコート、典型的なクレーコーターのグラノイェルス選手なので、1回戦でもストレート勝利は幸先が良いのではないでしょうか。

次の相手はジョアン・ソウザ選手(59位)。ポルトガル出身でやはりクレーに強い選手です。実際クレー大会で準優勝3回の実績があります。(決勝の相手は、クエバス、ベルッチ、ティエムとクレー得意の猛者ばかり)

2回戦も勝ち上がれば、3回戦はシュワルツマン選手(41位)あたりと対戦することになりそうです。シュワルツマン選手は、アルゼンチン出身、唯一のツアータイトルがクレー大会なので、私が言いたいことは察してもらえると思います。

ランクこそ高くものの、クレーコートが得意な選手たちに2、3回戦も快勝すれば、セカンドウィークに向けて、きっと勢いがつくことでしょう。

それにしても、アガシ氏のコーチ契約は全仏ファーストウィークだけって短くないですか?全仏はお試し期間で、グラスコート・シーズン以降に正式契約とかもあるんでしょうか?
 
ジョコビッチ選手が、全仏で結果を出せるかも見どころですが、全仏以降の動向にも注目です。
 
 
 

(了)

 
本サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を禁止します。
Copyright© Around The Court  by tennisshiro, 2017  All Rights Reserved.

コメント

このブログの人気の投稿

今日のキーワード「wouldn't put it past someone」(...ならやりかねない) - 「キリオス、ウィンブルドンには間に合う」 | テニス |エイゴン選手権

今日のキーワード「thirtysomething」(30代) - 「フェデラー、敗退を逃れる」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「make one's mark」(成功する) - 「杉田、フェデラーの祝福を受ける」 | テニス | ウィンブルドン

今日のキーワード「all for it」(大賛成) - 「マッケンロー、男女対決を提案」 | テニス | その他

今日のキーワード「tank」(無気力になる) - 「睡眠不足警報」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「take a toll」(負担になる) - 「大会一番の番狂わせ」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「square off」(対決する) - 「全米オープン2日目、王者登場」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「red-hot」(絶好調な) - 「クビトバが反撃」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「wheels come off」(歯車が狂い始める) - 「大坂、ゲームを支配」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「barnburner」(白熱した試合) - 「タイブレーク続出」 | テニス | 全米オープン