今日のキーワード「offer an olive branch」(和解を申し出る) - 「トミックへの接し方を後悔」 | テニス | ウィンブルドン

こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。


まだクレーコート大会と同時並行ですが、今週から待望のハードコートシーズンが始まりました。

男子はアメリカ・アトランタ、女子は中国・江西省でそれぞれ大会が行われています。江西省オープンには日本選手も多数エントリーしているので楽しみです。

さて本題ですが、昨日に引き続き、トミック選手に関するニュースを取り上げます。

日曜日のテレビ・インタビューでトミック選手が好きなことを言いましたが、その中で個人名で批判を浴びた人がいます。前オーストラリア・デビスカップ監督であり、現役中には全米オープンを2度制しているパット・ラフター氏です。

そのラフター氏がシドニーのラジオで、2人の関係性について語っています。

バーナード・トミック、パット・ラフター、デビスカップ
    (画像:Sydney Morning Herald)

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1.今日のキーワード
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【offer an olive branch    和解を申し出る】

今日のキーワードは「offer an olive branch」です。
「olive branch」は直訳すると「オリーブの枝」です。
「オリーブの枝」は平和の象徴で、「和解」とか「仲直り」を意味します。
動詞「offer」は「申し出る」、「提供する」という意味なので、
「offer an olive branch」は「和解を申し出る」、「仲直りをする」という意味になります。
「present an olive branch」、「extend an olive branch」でも同じ意味です。

オリーブをくわえた白ハト
    (平和の象徴:オリーブの枝をくわえた白ハト)

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2.ボキャブラリー
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・Davis Cup : 男子テニスの国別対抗戦。3日間に分けて、シングルス4試合、ダブルス1試合を5セットマッチで行い、先に3勝した国が勝利。
・captain : 監督。フェドカップおよびデビスカップでは監督のことを「captain」(キャプテン)と呼ぶ。
・Pat Rafter : パトリック・ラフター。現役時代、グランドスラム優勝2回、ツアー優勝11回の成績を残す。最高ランキング1位。2011年から2015年までデビスカップ・オーストラリア代表監督を務める。
・Bernard Tomic : バーナード・トミック。オーストラリア国籍。24歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝3回。現在73位 (最高17位)。
・put on a show : ショーを催す、演じる。
・tank : 無気力なプレーをする、わざと負ける。
・TA : Tennis Australia。オーストラリア・テニス協会
・all up : すべてが終わって、何もかも終わって。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【Former Davis Cup captain Pat Rafter regrets how he dealt with Bernard Tomic】

Pat Rafter has expressed a number of regrets about his dealings with Bernard Tomic and conceded that his four-year tenure as Davis Cup captain was largely unenjoyable.

A surprisingly subdued Rafter spoke on KIIS FM on Monday in response to Tomic's television interview on Sunday night.

In it Tomic labelled the two-time US Open winner as "not that much of a nice guy" and said that he likes to "put on a show".

While not offering an olive branch to the troubled tennis player, Rafter felt he could have handled Tomic better during his time with Tennis Australia as Davis Cup captain and then head of performance.

"One of the things I said publicly was that he was pretty disgraceful out there," Rafter said, recalling the aftermath of a US Open match Tomic played against Andy Roddick in 2012 where he appeared to tank in the third set.

"Maybe I shouldn't have said that. Maybe it should have been said between him and me."

Rafter, who said he was brought in to make cultural changes by TA, thought things would play out a bit differently when he first started dealing with Tomic as an 18 year-old.

"... I thought at the time I could make some change but I found out pretty quickly I couldn't impact that," Rafter said.

"We see life a bit differently. So we are going to have disagreements and I was pretty vocal in that and he was pretty hurt by it."

After a four-year stint as Davis Cup captain Rafter moved on to head of performance at TA, quitting that post earlier this year. He conceded he had a lot of difficulty dealing with the younger players.

"I realised I had no impact with these guys whatsoever. They couldn't relate to me and I couldn't relate to them," he said.

All up it made for a difficult experience.

"It wasn't enjoyable," he said of the Davis Cup captaincy. "I reckon I had one or two enjoyable ties out of the four years I did it for. It was just hard work and banging my head against the wall all the time."

Rafter said he held no ill-will towards Tomic but admitted that he hadn't spoken to the former world No.17 for a year.



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4.日本語訳
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【前デビスカップ監督パット・ラフター、バーナード・トミックへの接し方を後悔】

パット・ラフターはバーナード・トミックへの接し方について、多くの後悔を述べた。またデビスカップ監督を務めた4年間、ほとんど楽しい時間がなかったことを認めた。

日曜夜に放送されたトミックのテレビ・インタビューを受けて、月曜日ラフターがKIIS FMで語った。ラフターの語り口は、意外にも控えめだった。

テレビ・インタビューの中でトミックは、ラフターのことを「それほどいい奴ではない」と評し、ラフターは「いい奴を演じる」のが好きだと語っている。

渦中のトミックに和解を申し出るわけではないが、デビスカップ監督および強化本部長に就いていたとき、ラフターはトミックにもう少し上手く接することができたかもしれないと感じている。

「コート上で恥をさらした、と公衆の面前で発言したことがある」とラフターは語った。2012年全米オープンでトミックがアンディ・ロディックと対戦した直後のことを振り返っていた。その試合の第3セット、トミックは明らかに無気力なプレーをしていた。

「たぶんあの発言は人前でするべきではなかった。彼と個人的に話すべきだった」

ラフターはオーストラリア・テニス協会の意見交換会に招集されていた。18歳のトミックと接点を持つようになってから、二人の関係性が変わり始めたそうだ。

「... 最初は彼を変えられると考えていた。だが、彼を変えられないことはすぐにわかった。我々は人生に対する考え方が少し違っていた。意見が食い違うようになったが、私はそれでも遠慮なく発言した。それが彼を傷付けたようだ」とラフターは語った。

4年間デビスカップ監督を務めた後、ラフターはオーストラリア・テニス協会の強化本部長に就任した。今年初め、その職からも退いた。若い選手と接する際、大きな困難があることを認めた。

「どんなに頑張っても、若い選手を変えることができないことを学んだ。彼らは私と関係性を築くことができないし、私も同じだった」とラフターは語った。

最終的には困難な状況へと向かって行った。

「楽しい時間ではなかった。監督を務めた4年間で結束を感じたのは1、2回だ。困難な仕事だった。ずっと壁に頭をぶつけ続けているような気分だった」とラフターはデビスカップ監督時代を振り返った。

ラフターはトミックに対して悪い感情を抱いていないという。だがこの1年間、彼らは話をしていないそうだ。


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Bernard Tomic saying he's 'bored' of tennis



(動画:Mirror.co.uk)

今年のウィンブルドン1回戦、ストレートで負けた後の会見の一コマ。
"I felt a little bit bored out there ..."の一言を発しています。
「コート上でちょっと退屈だった」が、日本では「テニスに飽きた」と報道されました。
さらに「ロジャー(フェデラー)がチャリティをやろうと言うなら、賞金を返してもいいよ」、
「今までにも退屈した試合はたくさんある。あんたたちもよく知ってるだろう」と発言。
「盗人猛々しい」、「居直り強盗」という言葉が頭をよぎりました。

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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ラフター氏のインタビュー記事を取り上げました。デビスカップ監督時代のラフター氏の苦労が伝わってきます。

若い人と関係性を築くのが難しかったと言っていますが、相手はトミック選手やキリオス選手ですからね。若い人の中でも、かなり難易度が高い人たちだと思われます。その彼らをまとめて、2015年にデビスカップ準決勝まで導いたのは称賛されるべき功績だと思います。

ラフター氏側の話を聞いても、トミック選手に関する印象は変わりません。トミック選手に関しては、昨日くどくどと述べたので、もうこれ以上は言いません。

昨日のブログをご参照ください。
https://ardthect.blogspot.jp/2017/07/come-under-fire.html

今日はあっさりと締めさせてもらいます。それでは。



(了)


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