今日のキーワード「in the same boat」(同じ境遇にいる) - 「キリオス、初戦快勝」 | テニス | ロジャーズ・カップ

こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。


夏の北米マスターズ大会、ロジャーズ・カップが始まりました。

昨日は1回戦の半分の試合が行われました。第13シードのプイユ選手がドナルドソン選手に敗れた以外は、概ね順当な結果になっています。

もう1試合シードダウンがありましたが、第14シードのイズナー選手に勝った相手がデルポトロ選手なので、波乱ではないです。2大会連続優勝していたイズナー選手の連勝は8で止まりました。

昨日行われた試合の中で、キリオス選手の試合を取り上げます。

試合後会見で、同じオーストラリアの同僚トミック選手にも言及しています。

ニック・キリオス、ロジャーズ・カップ (画像:National Post)

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1.今日のキーワード
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【in the same boat    同じ境遇にいる】

今日のキーワードは「in the same boat」です。
「in the same boat」を直訳すると、「同じ船の中にいる」です。
この船は、順風満帆な航行をしている船ではなく、沈没しかかった船を指しています。
「沈没しかかった船に一緒に乗っている」ことが転じて、「同じ境遇にいる」、「同じ立場にいる」という意味になります。
本文では、キリオス選手と同じく対戦相手トロイツキ選手もケガに苦しんでいる状況を「in the same boat」と言っています。

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2.ボキャブラリー
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・Nick Kyrgios : ニック・キリオス。オーストラリア国籍。22歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝3回。現在24位 (最高13位)。
・Rogers Cup : ロジャーズ・カップ。マスターズ1000大会の一つ。ハードコート。開催地はカナダ・トロントおよびモントリオール。男女大会の開催地が毎年両都市間で入れ替わる。
・Viktor Troicki : ビクトル・トロイツキ。セルビア国籍。31歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝3回。現在45位 (最高12位)。
・Wimbledon : ウィンブルドン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。グラスコート。開催地はイギリス・マートン・ロンドン特別区ウィンブルドン。
・brat : 悪ガキ、腕白坊主。
・Bernard Tomic : バーナード・トミック。オーストラリア国籍。24歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝3回。現在94位 (最高17位)。
・so be it : 「let it be so」の倒置形。それはそれで仕方ない、という意味。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【Australian Nick Kyrgios cruises to win in opening match at Rogers Cup】

Aussie bad boy Nick Kyrgios opened centre-court action at the Rogers Cup Monday, beating Serbian Viktor Troicki 6-1, 6-2 in a match that lasted only 51 minutes.

Both players have struggled with injuries recently. Hip and shoulder problems forced Kyrgios to retire from his match against Tennys Sandgren last week at the Citi Open in Washington, while Troicki’s last match was at Wimbledon where he retired with back problems in his first-round match against Florian Mayer.

Kyrgios, who continues to undergo treatment here, said neither player produced his best tennis.

“I didn’t feel like I hit the ball extremely well,” said the 22-year-old Kyrgios. “I didn’t serve great. I thought I served okay. But he played far from his best tennis as well. I’ve seen him play unbelievable tennis. We all have. He’s been struggling physically, as well. I think he retired at Wimbledon. We’re kind of in the same boat. I wish all the best for him. He’s a great guy (and) we’re good friends.”

While Kyrgios is one of the most talented young players on the tour, he has been the subject of controversy throughout his career. On several occasions, he has been fined for tanking matches and his off-court manners have even attracted criticism from the original superbrat John McEnroe.

Kyrgios said he and countryman Bernard Tomic are often unfairly criticized.

“I guess, I mean, we all make mistakes,” said Kyrgios.

“Tomic is struggling at the moment. He doesn’t really know what he wants to do. I respect that. He deserves every right to be happy and try and find what makes him happy. If that’s not tennis at the moment, then so be it.

“I mean, we’re not bad humans,” Kyrgios added. “We don’t, I don’t know, deal drugs. We don’t do anything. We have some bad issues on the court sometimes. It’s just us competing. I mean, he’s not a bad person. The media can write what they want. But, you know, at the end of the day, to be fair, to be honest, me and Bernard have been the best two players from Australia for the last five years, so that’s the facts. We’ve been in the top 20. We’ve beaten top players, you know.”



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4.日本語訳
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【オーストラリアのニック・キリオス、ロジャーズ・カップ初戦を快勝】

月曜日、オーストラリアの「悪童」ニック・キリオスは、ロジャーズ・カップでセンターコート第1試合を戦った。わずか51分でセルビアのビクトル・トロイツキを6-1、6-2で破った。

両選手とも最近ケガに苦しんでいる。キリオスは臀部と肩のケガにより、先週ワシントンで開催されたシティ・オープンで、テニーズ・サンドグレンとの試合中に棄権している。一方トロイツキは背中のケガにより、ウィンブルドン1回戦でフロリアン・メイヤーとの試合中に棄権している。

キリオスは現在も治療を受けている。両者ともに最高のテニスをすることができなかった、と彼は語った。

「かなり良い感触でボールを打っていたわけではない。良いサーブも打てなかった。まあまあのサーブを打っていた。だが、彼も最高のテニスからほど遠かった。彼の素晴らしいテニスを見たことがある。僕たちはお互いのテニスを知っている。彼もケガに苦しんでいる。ウィンブルドンでも棄権している。僕たちはいわば同じ境遇にいる。彼の回復を心から願っている。いい奴だし、良い友達なんだ」とキリオスは語った。

キリオスはATPツアーで最も才能のある若手の一人だが、キャリアを通じて論争の的になってきた。キリオスは無気力試合で罰金を科されたことがあり、コート外の行動で元祖「悪童」のジョン・マッケンローから批判を受けたこともある。

自分および同じオーストラリアのバーナード・トミックは、しばしば不当な批判を受けている、とキリオスは語った。

「人間は誰でも過ちを犯す」とキリオスは語った。

「トミックは今悩んでいる。自分が本当にやりたいことがわかっていない。僕はその状況を尊重する。彼は幸福になる権利を持っているし、彼は幸福になることを見つける権利も持っている。もしそれがテニスではないとしたら、それはそれで仕方ない」

「僕たちは悪人ではない。薬物を売買しているわけではない。犯罪行為もやっていない。コート上での振る舞いが、ときどき問題になるだけだ。僕たちはテニスをしているだけだ。トミックは悪人ではない。メディアは好きなことを書ける。でも公正な目で見て、正直に発言すれば、結局、僕とトミックが最近5年間のオーストラリアのベストプレイヤーなんだ。それが事実だ。僕たちはトップ20に入った。トッププレイヤーも倒してきた」とキリオスは語った。


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Highlights: Kyrgios del Potro Advance On Monday In Montreal 2017



(動画:ATPWorldTour)

ロジャーズ・カップ本戦1日目のハイライト。
キリオス選手、モンフィス選手、デルポトロ選手等の試合が取り上げられています。
1回戦でS.ジョンソン選手に逆転勝ちしたモンフィス選手。
この2大会初戦敗退していたので不調なのかなと思っていたのですが、そんなことはありません。
フットワークは軽いですし、マッチポイントでは背面ショットも飛び出しています。
2回戦では錦織選手と対戦しますが、競った試合展開になりそうです。

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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今日はキリオス選手のロジャーズ・カップ初戦、および試合後会見のコメントを取り上げました。

何かスポーツ選手の試合後インタビューというより、「若者の心の叫び」のようなトーンになってしまいました・・・。

ギリシャ系の父親とマレー系の母親の間に生まれたキリオス選手は、純粋な「白人」ではありません。子供の頃から「白人」ではないために受ける差別や、「白人」になれない疎外感を感じながら、成長したんだろうと推察されます。

そのために不当な扱いに対して敏感に反応したり、不条理なことに対する正義感のようなものが人一倍強く、ときに社会に対して反抗的な態度を取ることもあるのだろう、と感じています。

現在キリオス選手は、プロテニス選手という立場にいます。その立場にいるキリオス選手からすると、テニスをする際に不当な扱いをするのがATPであり、不条理なことを書き立てるのがメディアなのかもしれません。普段ため込んでいる思いが、このような形で出て来たのかもしれません。

我々ファンはテニス界を外から眺めているだけなので、テニス界の内情について詳しく知ることができません。本当に「偏見まみれの終わったスポーツ」なのか判断するのも難しい状況です。

ただファンの立場から言えることは、キリオス選手のことを根っからの悪人だと思っている人は、ほぼいないということです。逆に純粋で正直なヤツと思っている人が大半だと思われます。

少なくともファンはキリオス選手の味方です。繊細な人なのでいろいろ大変だと思います。ですがトミック選手のように、テニスに対して後ろ向きにならないで欲しい、と思っています。



(了)


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