今日のキーワード「out in front」(リードして) - 「プリスコバ姉妹のエース争い」 | テニス | エイゴン国際

こんにちは。tennisshiroです。

昨日イギリスは雨のため、エイゴン国際の全試合が順延になりました。
これを受けて今日2、3回戦のダブルヘッダーを行う強行日程になっています。


ウィンブルドン予選も、女子の一部の試合を除き、全試合順延になりました。

今日は双子のプリスコバ姉妹に関する話題を取り上げます。
妹のカロリーナは今年の全仏オープンでもベスト4に進出し、現在ランキング1位争いをしています。
姉のクリスティナもツアー優勝1回、ランキング44位のトップ選手として活躍しています。


その2人がある数字で女子テニス界のトップ争いをしています。

カロリーナ・プリスコバ、クリスティナ・プリスコバ (画像:VOGUE)
    (註) 左:カロリーナ(妹), 右:クリスティナ(姉)

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1.今日のキーワード
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【out in front    リードして】

今日のキーワードは「out in front」です。
形容詞「out」が「(外へ)突き出ている」、「(外へ)離れている」、副詞句「in front」が「前方に」、「先頭に」という意味です。
ですので「out in front」は「前方に突き出ている」、「先頭で離れている」つまり「リードしている」という意味になります。

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2.ボキャブラリー
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・Karolina Pliskova : カロリーナ・プリスコバ。チェコ国籍。25歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝8回。現在3位 (最高3位)。
・Kristyna Pliskova : クリスティナ・プリスコバ。チェコ国籍。25歳。左利き、両手バックハンド。ツアー優勝1回。現在44位 (最高44位)。
・ace : サービスエース。相手が触ることができないサービス。
・Eastbourne : イギリス・イーストボーン。エイゴン国際の開催地。WTAプレミアの大会。グラスコート。
・assail : 激しく攻撃する、攻め立てる。
・leapfrog : 追い抜く、飛び越える。
・sibling : 姉妹。
・Naomi Broady : ナオミ・ブローディ。イギリス国籍。27歳。右利き、片手バックハンド。ツアー優勝なし。現在108位 (最高76位)。
・Alison Riske : アリソン・リスケ。アメリカ国籍。26歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝1回。現在46位 (最高36位)。
・sanguine : 陽気な、楽天的な。
・rack up : (得点、勝利などを)上げる。
・Nottingham : イギリス・ノッティンガム。ノッティンガム・オープンの開催地。WTAインターナショナルの大会。グラスコート。
・Wimbledon : ウィンブルドン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。グラスコート。開催地はイギリス・マートン・ロンドン特別区ウィンブルドン。
・bedrock : 基盤、基本。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【Pliskova sisters in battle for service supremacy】

For two and a half years, the summit of the WTA's ace leaderboard has been Karolina Pliskova's domain. In 2015, she topped it with 517 aces; last year, she extended her total to 530 - the highest numbers of any woman this decade. Naturally, coming into the Aegon International in Eastbourne this week, the Czech was out in front for 2017, having delivered 249 aces in 39 matches.

The first three days in Eastbourne have seen the World No.3's position assailed, though - by none other than her twin sister, Kristyna. The World No.44 leapfrogged her younger-by-two-minutes sibling with her first-round victory over Naomi Broady, during which she hammered down 10 aces. Karolina could manage only seven en route to beating Alison Riske yesterday - which means that she now trails her left-handed twin by one with 256 to Kristyna's 257.

Talking to reporters afterwards, Karolina was sanguine about being overtaken. "Since it's in the family, I don't mind," she smiled. "But I'm sure she's gonna know it and she's gonna tell me!"

In part, Kristyna's increase in raw numbers can be attributed to her rise in the rankings. She spent the first half of 2016 largely outside the Top 100, and played just 13 WTA matches between January and June of that year. By contrast, she has competed in 30 WTA main draw matches to date in 2017.

Conversely, Karolina's own rise in the past 12 months from floating around the Top 20 to embedding herself in the Top 5 has also altered her schedule - by decreasing it. Take last year's grass season as an example: Karolina played every possible week, racking up a title in Nottingham and reaching the Eastbourne final. This year, with more of an eye on preserving herself for Wimbledon, Eastbourne is her first tournament on the surface. It should also be noted that Karolina has also played higher-quality opposition in 2017, with an average ranking of 45.9 versus Kristyna's 67 - and so the likelihood of the higher-ranked twin facing superior returners has gone up.

Dig deeper, though, and it's apparent that Kristyna's greater likelihood of hitting an ace isn't new. This year, she's racked up her superior total in fewer matches, averaging at 8.57 aces per match to Karolina's 6.4 - a statistic in which she led the whole WTA tour last year with 11.42 aces per match. (Karolina trailed her in second place with 8.69 aces per match.)

The serve has always been the bedrock of both Pliskovas' games: it's a stroke that Karolina described as "absolutely natural" after beating Garbiñe Muguruza at the BNP Paribas Open in Indian Wells this year. Contrary to the stereotype that service efficacy is all about strength, she continued: "I don't even use any power... It's just a swing, you know. I think 186 [kilometres per hour] is my fastest serve, which is not that much, you know. So there are girls which can hit 200 or more than 190." Nonetheless, the twins are are over 20 aces ahead of the No.3 player on the leaderboard, Lucie Safarova.

Which of the Pliskovas will take final honors?



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4.日本語訳
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【プリスコバ姉妹のサービスエース争奪戦】

2年半の間、WTAサービスエース獲得数で、カロリーナ・プリスコバがトップに君臨している。2015年は517本、昨年はさらに多い530本のエースを決め、トップになっている。年間エース獲得数530本は、最近10年で最多である。エイゴン国際に出場するまで、カロリーナは39試合で249本のエースを決め、今年のエース獲得数もリードしていた

しかしエイゴン国際3日目までに、カロリーナの地位を脅かす選手が現れた。双子の姉のクリスティナだった。クリスティナは、初戦ナオミ・ブローディに勝利し、2分年下の妹を追い抜いた。その試合で10本のエースを決めている。一方のカロリーナは、昨日アリソン・リスケとの試合で、7本しかエースを決めていない。これにより、クリスティナがカロリーナを1本差でリードした。エース獲得数は、カロリーナ256本に対して、クリスティナ257本である。

カロリーナは試合後の会見で、クリスティナにエース獲得数で抜かれたことに対して、陽気に対応した。「身内の話なので、気にしない。でもクリスティナは知っているはずだから、私に言ってくるでしょ」と彼女は微笑んだ。

ある面において、クリスティナのエース獲得数増加は、ランキング上昇のおかげである。2016年前半のほとんどを、彼女はトップ100圏外で過ごした。昨年1月から6月まで、WTAツアー大会に出場したのは13大会だけである。それに対して、今年は現在までに30大会に出場している。

逆にカロリーナは、ランキング上昇に伴い、出場大会を減らす方向でツアー日程を調整している。彼女はこの1年間で、トップ20からトップ5にランキングを上げている。例えば、昨年のグラスコートシーズンでは、カロリーナは毎週大会に参加している。ノッティンガム・オープンで優勝し、エイゴン国際で準優勝している。今年は、ウィンブルドンに向けて体力を温存するために、グラスコート大会はエイゴン国際しか出場していない。また今年のカロリーナは、より高いレベルの相手と対戦していることも忘れてはならない。カロリーナの対戦相手の平均ランキングは45.9位に対して、クリスティナは67位である。カロリーナの方が優秀なリターナーと対戦する確率が上昇している。

深掘りしてきたが、クリスティナのエース獲得率が高いのは新しい発見ではない。今年クリスティナはカロリーナより少ない試合で、エース獲得数のトップに立っている。カロリーナが1試合平均で6.40本のエースを決めているのに対し、クリスティナは8.57本である。昨年クリスティナは、1試合平均11.42本のエースを決め、WTAツアーのトップに立っている。(カロリーナは8.69本で2位)

2人のプリスコバにとって、常にサーブがゲームの基本になっている。しかし、今年のインディアンウェルズでムグルッサに勝利した後、カロリーナはストロークに「絶対的な自信がある」と語っている。サーブ力のおかげで勝っているという典型的な見方に反して、彼女は「サーブには全く力を入れていない。ただスイングするだけ。私の最速サーブは186キロ程度。そんなに大したことはない。190キロ以上、200キロのサーブを打つ選手もいる」とも語っている。それでも、2人のプリスコバが、3位以下に20本以上の差を付けて、エース獲得数でリードしている。3位はルーシー・サファロバである。

どちらのプリスコバが最終的に勝つのだろうか?


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Karolina Pliskova | WTA Live Fan Access presented by Xerox | 2015



(動画:WTA Tour, Inc.)

2年前トップ10入り目前のカロリーナ・プリスコバ選手が、ファンからの質問に答えています。
自分を表す言葉として「calm」(冷静な)を挙げていることに納得。釣りが趣味というのは意外です。
姉との見分け方は難しいけど、髪型とか、タトゥーとか、利き手だそうです。
テニス選手になっていなかったら、モデルになっていたそうです。

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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世界の女子テニス界でプリスコバと言うと、だいたい妹のカロリーナを指します。
双子姉妹というのは有名ですが、注目度は妹の方が圧倒的に高いです。


理由は単純で、妹の方が強いからです。

妹のカロリーナは2014年頃から頭角を現し、その年優勝2回、準優勝4回の成績を残しています。
翌年も好調を維持し、スタンフォードで準優勝後、初のトップ10入りを果たしています。


彼女の人気が決定的になったのが2016年です。
WTAプレミア5のシンシナティで優勝し、続く全米オープンでも準優勝を果たしました。
この活躍以降、トップ5圏内を維持し、どの大会でも常に優勝候補に挙がるスター選手になっています。


その妹の陰に隠れる形になっていたのが、姉のクリスティナでした。
それでも、トップ100に入っていますし、ランキング44位というのは立派な数字です。
テニス選手としては、十分な成功です。


でも才能がある妹がいるだけに、どうしても比較されて、過小評価されがちです。
私も今回の記事を読むまで、クリスティナのエース獲得率がここまで高いことを知りませんでした。


クリスティナはITFサーキットで日本によく来ていて、福岡では2回優勝しています。
そのうち1回は妹カロリーナとの直接対決で、姉のクリスティナが勝っています。
ITFサーキットの決勝では直接対決がもう1回あり、その試合(グルノーブル)は妹のカロリーナが勝っています。


WTAツアーでも直接対決が見たいです。
クリスティナのランキングが上がっているし、可能性は十分ありそうです。



(了)


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