今日のキーワード「down the stretch」(終盤) - 「クビトバ、復帰2戦目で優勝」 | テニス | エイゴン・クラシック

こんにちは。tennisshiroです。

先週行われたグラスコート各大会で決勝戦が行われました。
ハレではフェデラー選手が貫録勝ち、クイーンズではフェデラー選手と同い年のF.ロペス選手が僅差の勝利、マヨルカではセバストワ選手が7年ぶりに優勝を飾っています。

バーミンガムでは、強盗襲撃の大ケガから復帰したクビトバ選手が、復帰2戦目で優勝しました。

今日はそのニュースを取り上げます。

(画像：WTA Tour, Inc.)

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1.今日のキーワード
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【down the stretch    終盤】

今日のキーワードは「down the stretch」です。

名詞「stretch」には「(競馬場などの)直線コース」、前置詞「down」には「...の方へ」、「...に沿って」の意味があります。
ですので「down the stretch」は、「直線の方へ(入って来る)」とか「直線に沿って(走る)」という意味になります。
海外の競馬中継では、第4コーナーを回って最後の直線に入るとき「And down the stretch they come!」
(全馬、最後の直線コースに入りました)が、決まり文句になっています。

「down the stretch」は、レース、試合、シーズンなどの「終盤」のことを意味します。

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2.ボキャブラリー
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・Petra Kvitova ： ペトラ・クビトバ。チェコ国籍。27歳。左利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝2回、ツアー優勝20回。現在12位 (最高2位)。

・Birmingham ： バーミンガム。エイゴン・クラシックの開催地。WTAプレミアの大会。グラスコート。

・Aegon Classic ： エイゴン・クラシック。WTAプレミアの大会。グラスコート。開催地はイギリス・バーミンガム。

・WTA ： Women's Tennis Association。女子テニス協会。女子プロテニスツアーを運営する団体。

・Ash Barty ： アシュリー・バーティ。オーストラリア国籍。21歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝1回。現在54位 (最高54位)。

・Wimbledon ： ウィンブルドン。テニス4大大会であるグランドスラムの一つ。グラスコート。開催地はイギリス・マートン・ロンドン特別区ウィンブルドン。

・dictate ： 命令する、指図をする。主導権を握ること。

・woe ： 苦難、苦労。

・dip ： 下降、沈下。

・ace ： サービスエース。相手が触ることができないサービス。

・winner ： ウィナー。相手が触ることができないショット。サービスエースも含まれる。

・unforced error ： アンフォーストエラー。相手からの打ちやすいボールを相手コート内に返球できないこと。相手の速いサーブやパッシングショット等を返球できない場合は「forced error」(フォーストエラー)になる。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【Kvitova Wins Birmingham Title in Second Event Back on Tour】

Petra Kvitova said she just went to Birmingham to have some coffee and play some matches. But she ended up taking home the Aegon Classic title in only her second event back on tour after surviving a knife attack six months ago.

Kvitova claimed her 20th career WTA title in a three set win over Australian Ash Barty who proved a worthy foe against the two-time Wimbledon champion. Despite many wondering if Kvitova would ever play tennis again after the attack, Kvitova now finds herself once again on the short list of Wimbledon contenders.

“I like to play finals on the grass,” Kvitova said with a smile when reminded this was her first grass court final since winning Wimbledon in 2014. “It was an amazing week and tournament.”

“You are an inspirtation and a champion,” Barty said to Kvitova during the trophy ceremony. “We love you and we missed you and we’re glad to have you back on court.”

Barty started off the first set serving incredibly well as Kvitova struggled to find her range early. Barty earned a quick service break and then continued her strong serving. The Australian, having dropped only one point so far on serve, then served for the set up 5-3.

Kvitova took advantage of a few errors to earn her first ever break point while trailing 4-5. But Barty recovered to finally serve out the set 6-4.

Kvitova then seemed to reset her game as the second set got underway. Playing with more authority and dictating more in the rallies, the lefty Czech took control.

With strong returns, Kvitova jumped out to a quick 5-1 lead. Kvitova, due to some unexpected serving woes, couldn’t serve it out in the next game. Barty managed to earn a few games, but Kvitova soon closed the door by taking the set 6-3.

The third set continued to be all about Kvitova as she once again enjoyed an early service break lead. But leading 2-1, Kvitova experienced another dip in form. The Czech hit an overhead well long and then, facing break point, got stretched out wide by Barty forcing her to hit her shot long. That allowed Barty to level the set at 2-all.

That would be the last hope for Barty as once again Kvitova reasserted herself with power hitting.

Kvitova broke Barty back for 3-2 and then soon took command again. Down the stretch, Kvitova won 15 out of the last 18 points, including on match point. Serving her 13th ace, Kvitova served out the title at love to complete the comeback 4-6, 6-3, 6-2. win.

Kvitova hit 35 winners to just 14 from Barty while the Czech hit 25 unforced errors to 12 from the Australian who will rise to a career high singles ranking inside the top 60.

In the trophy ceremony, Kvitova thanked her team for keeping her smiling and focused during her time away from tennis.

(引用元 Tennis Now:http://www.tennisnow.com/News/2017/June/Kvitova-Wins-Birmingham-Title-in-Second-Event-Back.aspx)

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4.日本語訳
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【クビトバ、復帰2戦目のエイゴン・クラシックで優勝】

ペトラ・クビトバはバーミンガムに来て、お茶をして、数試合プレーするだけのつもりだった。しかし、6か月前の襲撃事件から復帰後、2戦目のエイゴン・クラシックで優勝した。

アシュリー・バーティは、ウィンブルドンで2回優勝しているクビトバにふさわしい相手であることを証明した。クビトバはバーティにフルセットで勝利し、WTAツアー20勝目を上げた。襲撃事件の後、クビトバがテニスをできるのか心配する人が多かった。その心配を払拭し、クビトバは再びウィンブルドン優勝候補の一人になっている。

「グラスコートの決勝戦でプレーするのが好き。素晴らしい大会だった」とクビトバは微笑んだ。2014年ウィンブルドン以来、久々のグラスコート大会決勝戦ということを、彼女は思い出していた。

「あなたは私たちに刺激をくれるチャンピオン。私たちはあなたのことを愛しているし、あなたがいないことを寂しく思っていた。あなたがコートに戻って来て嬉しい」と表彰式でバーティはクビトバに言った。

第1セット開始後、クビトバは自分のプレーレベルを見つけるのに苦しんだ。その間、バーティはサーブが絶好調で良いスタートを切った。バーティは早々にブレークし、強力なサーブで押し続けた。バーティはサービスをキープし、ゲームカウントを5-3とした。バーティはサービスで、ここまで1ポイントしか落としていなかった。

クビトバはバーティのミスを2本誘い、ブレークポイントをしのぎ、ゲームカウントを4-5にした。しかしバーティはサービスをキープし、ゲームカウント6-4で第1セットをものにした。

第2セットが始まると、クビトバはゲームをリセットしたように見えた。クビトバは堂々とプレーし、ラリーでも主導権を握り、ゲームをコントロールした。

クビトバは強烈なリターンを打ち、すぐにゲームカウント5-1にリードを広げた。次のゲームではサーブで突然苦しみ、サービング・フォー・ザ・セットをものにできなかった。バーティは何とか2ゲームを連取したが、クビトバは次のサービスをキープし、ゲームカウント6-3で第2セットを奪取した。

第3セットでも、クビトバはすぐにブレークし、ゲームをコントロールし続けた。しかしゲームカウント2-1でリードしているとき、クビトバの調子が再び崩れた。バーティのロブショットでクビトバの体が伸び切り、上から打ち下ろしたショットはロングになった。クビトバはこのミスでブレークポイントを迎えた。バーティはブレークに成功し、ゲームカウントを2セットオールにした。

バーティにとっては、これが最後のチャンスだった。この後、クビトバは強打を取り戻した。

クビトバはブレークバックでゲームカウント3-2にし、再びゲームをコントロールした。終盤クビトバは、マッチポイントを含む18ポイント中15ポイントを奪取した。13本目のサービスエースを決め、クビトバはラブゲームで試合を締めた。ゲームカウント4-6、6-3、6-2の逆転勝利だった。

ウィナーは、クビトバ35本に対して、バーティは14本だけ。アンフォースト・エラーは、クビトバ25本に対して、バーティは12本だった。今大会後、バーティはランキング60位以内に入り、キャリア最高ランクを更新することになっている。

ツアー離脱中、チームの仲間のおかげで、クビトバは笑顔になり、テニスに集中できたと言う。クビトバは表彰式で彼らに感謝の言葉を述べた。

(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Petra Kvitova 2017 Aegon Classic Final Speech

(動画：WTA Tour, Inc.)

クビトバ選手、優勝後のオンコート・インタビュー。
「グラスコートの決勝戦が好き」とウィンブルドン2回優勝のクビトバ選手らしい言葉も出ています。
ですが「(ウィンブルドンには)期待していないし、目標も設定してない。全力を尽くすだけ」と語っています。
これだけの実力者が無欲にプレーに集中しています。他の選手からしたら怖いでしょうね。

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6.その他のニュース
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【セバストワ、2010年以来の優勝】
【F.ロペス、マッチポイントをしのいで優勝】
【フェデラー、格の違いでハレ9回目の優勝】

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7.編集後記
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クビトバ選手が大ケガからの復帰後、2大会目で優勝を飾りました。
全仏オープン復帰初戦の勝利もそうでしたが、今大会の優勝も感動しました。
https://ardthect.blogspot.jp/2017/05/kvitova-comeback-off-to-flying-start.html

今大会中のインタビューで話していましたが、今でも昔の手の感覚とは全く違うそうです。
いわば「新しい手」でラケットを握っていて、その手でどのようなプレーをしていくかが、現在の課題だそうです。

確かにバーティ選手を最終的に圧倒した昨日の試合でも、精神的なアップダウンは見て取れました。
ですが、物理的な手の使い方については、外から見る限り、全く違和感がありません。

サーブは、スピード・コース・回転ともにコントロールできていました。
またストロークは、力強いハードヒットもできますし、繊細なタッチのショットも打ち分けていました。
この点に関しては、サービスエース13本、ウィナー35本という数字にも出ています。

昨日のような心理的な起伏も乗り越えられたし、優勝という結果を残すことができました。
これで大きな自信を取り戻せたんじゃないでしょうか。

本人はまだ手の感覚に納得できていないのかもしれません。
ですが、我々テニスファンは負傷前と変わらない強さが見られて安心しています。

次は本番のウィンブルドンです。
2011年、2014年に優勝ですし、今年は何かあるんじゃないでしょうか？
大好きなグラスコートの決勝戦に立てるといいですね。

(了)

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