今日のキーワード「gain ground」(優勢になる) - 「ティエム快勝、錦織粘り勝ち」 | テニス | シティ・オープン

こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。


シティ・オープン本戦2日目は2回戦が行われ、シード選手が登場しました。第12シードのM.ズベレフ選手が敗れた以外は、シードダウンもなく、順当な結果に落ち着いています。

第1シードのティエム選手、第2シードの錦織選手、過去3回優勝のデルポトロ選手の試合について、地元ワシントン・ポストが書いています。

今日はその記事を取り上げます。

ドミニク・ティエム、シティ・オープン2017 (画像:ATP Tour, Inc.)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.今日のキーワード
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【gain ground    優勢になる】

今日のキーワードは「gain ground」です。
動詞「gain」は「獲得する」、名詞「ground」はここでは「陣地」の意味で使われています。
「gain ground」は直訳すると、「陣地を獲得する」になります。
つまり「gain ground」は「陣地を獲得」して、「優勢になる」ことを意味します。
「gain ground」は、スポーツ以外に、選挙戦、議論、市場競争などでも用いられます。
反義語として「lose ground」(劣勢になる)という表現もあります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.ボキャブラリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・Dominic Thiem : ドミニク・ティエム。オーストリア国籍。23歳。右利き、片手バックハンド。ツアー優勝8回。現在7位 (最高7位)。
・Kei Nishikori : 錦織圭。日本国籍。27歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝11回。現在9位 (最高4位)。
・outlast : より長生きする、長持ちする。
・Donald Young : ドナルド・ヤング。アメリカ国籍。28歳。左利き、両手バックハンド。ツアー優勝なし。現在58位 (最高38位)。
・Henri Laaksonen : ヘンリ・ラークソネン。スイス国籍。25歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝なし。現在96位 (最高95位)。
・bode : 前兆となる、予言する。
・Kevin Anderson : ケビン・アンダーソン。南アフリカ国籍。31歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝3回。現在45位 (最高10位)。
・gnarly : 危険な、危なっかしい。
・Juan Martin del Potro : ファン・マルティン・デルポトロ。アルゼンチン国籍。28歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝1回、ツアー優勝19回。現在32位 (最高4位)。
・Lukas Lacko : ルーカス・ラッコ。スロバキア国籍。29歳。右利き、両手バックハンド。ツアー優勝なし。現在119位 (最高44位)。
・pinnacle : 頂点、頂上。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.原文
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Top-seeded Dominic Thiem cruises; Kei Nishikori outlasts Donald Young】

In perhaps a bit of disbelief that he is a main draw in his first Citi Open, No. 1 seed Dominic Thiem was a little surprised so many fans withstood a four-hour rain delay to watch him defeat Henri Laaksonen of Switzerland. He didn’t make them wait very long.

The 23-year-old Austrian, ranked No. 7 in the world, beat his opponent 6-3, 6-3 in a tidy 63 minutes, and when Laaksonen’s final forehand went long the crowd at stadium court at Rock Creek Park Tennis Center gave him a standing ovation. Thiem served nine aces and won a staggering 96 percent of points off of his first serve, which bodes well for his second-round matchup with 6-foot-8 South African Kevin Anderson, who possesses a gnarly serve as well.

“I was actually a little bit surprised how many people were out there, it’s a normal weekday and it’s very very late,” Thiem said just after 11:30 p.m. when he spoke to the press. In an interview with the Tennis Channel just after his match ended, he was somewhat hesitant to call himself the tournament’s true top seed. A pair of former Citi Open champions, ninth-ranked Kei Nishikori and 32nd-ranked Juan Martin del Potro, were still playing as he spoke.

“There are, I think, five, six players to beat, it’s such a strong tournament,” Thiem said. “I think there should be basically four or five top seeds, and I’m one of them.”

Nishikori’s match turned out to be the most dramatic of the tournament so far. The 2015 champion needed two and a half hours to defeat American Donald Young 6-3, 4-6, 7-6 (7-5). Young, ranked No. 58 on the ATP tour, came just short of a fourth-career win over a top-10 ranked player.

Nishikori advances to face del Potro, whose match was bumped from Stadium Court to Grandstand 1 because of the rain delay. The No. 13 seed defeated Slovakia’s Lukas Lacko 7-5, 6-2 in a match that went into early Wednesday morning. The Argentine jumped out to a 4-1 advantage in the first set and looked to take full control. However, Lacko gained ground, winning four straight games to send del Potro into save mode. Lacko is ranked No. 119 in the world and has zero career titles. His career high ranking was No. 44 in January 2013.

“I think I got lucky to come back at the end of the first set,” del Potro said. “I broke his serve in the 5-all, playing good tennis and I think my game is starting to do well in the second set and I closed the match with a good level of tennis.”

Del Potro is most known for his 2009 U.S. Open championship, when the then 20-year-old defeated Rafael Nadal in the semifinal and Roger Federer in the final. Injuries to his wrist derailed his plans to reach the pinnacle of the men’s tennis world, but the former world No. 4 reached the round of 64 at Wimbledon this year and is hoping to continue his comeback.



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4.日本語訳
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【トップシードのドミニク・ティエムは快勝、錦織圭はドナルド・ヤングに粘り勝ち】

ドミニク・ティエムがシティ・オープン初出場なのは、少し意外かもしれない。4時間の雨天中断を耐えしのいだファンが多くいることに、第1シードのティエムは少し驚いていた。ティエムはスイスのヘンリ・ラークソネンを下した。試合時間は待ち時間ほど長くなかった。

世界7位・23歳のティエムは、わずか63分で6-3、6-3の勝利を収めた。ラークソネンの最後のフォアハンドがバックアウトすると、ロック・クリーク・パーク・テニスセンターのスタジアムコートに詰めかけた観衆は、立ち上がって拍手をした。ティエムは9本のサービスエースを決め、1stサーブのポイント獲得率は驚異的な96%を記録した。南アフリカのケビン・アンダーソンとの3回戦に向けて良い兆しだ。身長203センチのアンダーソンも、やはり強力なサーブを持っている。

「多くの人が観戦していたことに、少し驚いた。平日のとても遅い時間だった」午後11時半を過ぎた試合後会見で、ティエムは語った。テニス・チャンネルからの質問に対して、今大会トップシードであることに少しとまどいを見せた。シティ・オープンの元優勝者2人、世界9位の錦織圭と世界32位のファン・マルティン・デルポトロは、この会見中まだ試合をしていた。

「5、6人の優勝候補がいると思っている。強豪揃いの大会だ。実質的には4、5人トップシードがいる。僕はその一人に過ぎない」とティエムは語った。

錦織の試合は、今大会これまでの試合の中で、最も劇的な展開となった。2015年に優勝している錦織は、アメリカのドナルド・ヤングを6-3、4-6、7-6 (7-5)で破るのに、2時間半の時間を要した。世界58位のヤングは、トップ10プレイヤーに対するキャリア通算4勝目まであと一歩及ばなかった。

錦織は3回戦でデルポトロと対戦する。デルポトロの2回戦は、雨天中断による遅延のため、スタジアムコートからグランドスタンド1に変更された。第13シードのデルポトロは、スロバキアのルーカス・ラッコを7-5、6-2で下した。試合が終わったとき、水曜日の早朝を迎えていた。デルポトロは第1セットで好発進し、ゲームカウント4-1でリードした。試合の主導権を完全に握っているように見えた。しかし、そこからラッコがデルポトロを抑えて4ゲームを連取し、優勢になった。ラッコは世界119位で、ツアー優勝経験がない。2013年1月にキャリアハイの世界44位を記録している。

「第1セット終盤に調子を取り戻せたのはラッキーだった。ゲームカウント5-5のとき、良いテニスをして、ラッコのサーブをブレークした。第2セットになって、テニスが良くなり始めたと思う。レベルの高いテニスで試合を終わらせることができた」とデルポトロは語った。

デルポトロは、2009年全米オープン優勝者として知られている。20歳の時に、準決勝でラファエル・ナダル、決勝でロジャー・フェデラーに勝っている。度重なる手首のケガにより、男子テニスのトップに立つ夢が崩れた。だが、元世界4位のデルポトロは、今年のウィンブルドンで2回戦に進出している。元の状態に戻ることを今でも願っている。


(Translated by tennisshiro)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5.関連動画
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Highlights: Thiem, Nishikori, Del Potro Win At Washington 2017 Tuesday



(動画:ATP World Tour)

シティ・オープン、注目選手4人の初戦の模様。
ティエム選手、錦織選手、デルポトロ選手、ソック選手の試合が取り上げられています。
個人的には、第1セット第9ゲームで錦織選手が決めた横回転の効いたパッシングショットが好きです。
(その前の第8ゲーム、ジャックナイフからの展開も素晴らしいです)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6.その他のニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7.編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日は優勝候補でもあるシード選手3人の話題を取り上げました。

ティエム選手とデルポトロ選手が初戦ストレート快勝したのに対し、錦織選手はフルセットのマラソンマッチでした。しかも最終セットはタイブレークにもつれた末の辛勝でした。

このことに対して厳しいことを言う人もいるみたいですが、私はフォローしておきます。


まずヤング選手はランクこそ58位ですが、そんなに簡単な相手じゃありません。今年だけ見ても、プイユ選手、イズナー選手、カルロビッチ選手、クエリー選手など、ランキング10-20位代の強豪に勝っています。(いずれもハードコート)


クレーコートが苦手なため(今年出場した4大会すべて初戦敗退)、また大会4-5試合を乗り切る安定感がないため、トップ30以内に入ったことはありませんが、一発の力を持った選手です。特にハードコートでは危険な選手です。


またヤング選手はかなり勝負強い選手です。


ATPが公表しているデータの一つに「Under Pressure Rating」というものがあります。ブレークポイントのコンバージョン率とセーブ率、タイブレークの勝率、最終セットの勝率から算出した数字です。つまりこの数字が高いほど、プレッシャーのかかる場面で高いパフォーマンスを発揮できる選手ということになります。
http://www.atpworldtour.com/en/stats/leaderboard?page=pressure

ヤング選手はこのランキング(直近52週間)で、フェデラー選手、ジョコビッチ選手に続いて3位にランクされています。つまり最近1年間でツアー屈指の勝負強さを発揮している選手ということになります。(8月3日現在)


今日の試合で錦織選手は、最終セットでブレークポイント8本握りながらブレークできなかったとか、マッチポイント6本目でやっと決めたとか、いろいろと言われています。ですが、このような逆境をしのぐ力がランキング58位以上に高いのが、ヤング選手です。チャンスをモノにできないのは錦織選手だけではなく、他の選手もヤング選手には苦労しているということです。


ちなみに、ヤング選手の今年の最終セット勝率は87.5%、タイブレーク勝率は84.6%です。この数字を考慮すると、最終セット、しかもタイブレークというヤング選手が得意な状況に持ち込まれながら、錦織選手はよく勝ち切ったという見方をすることもできます。

細かいことを指摘するのではなく、難敵ヤング選手に勝つという結果をきちんと残した、錦織選手を称賛すべきだと私は思っています。


次はさらに難敵というか強敵のデルポトロ選手です。デルポトロ選手のバック側を意識させてフォアに展開というパターンが、攻略の基本になると思います。

そのときカギを握るのが、錦織選手得意のバックのダウンザラインになります。


今年はネットの白帯にかけるシーンを何度も目にしています。ネットにかけずにウィナーを何本通せるかで、勝負が決まって来ると思っています。

またバックのダウンザラインで多くポイントを取れるようであれば、この試合だけでなく、今後のハードコート・シーズンも期待できると見ています。



(了)


本サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を禁止します。
Copyright(C) Around The Court  by tennisshiro, 2017  All Rights Reserved.

コメント

このブログの人気の投稿

今日のキーワード「thirtysomething」(30代) - 「フェデラー、敗退を逃れる」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「wouldn't put it past someone」(...ならやりかねない) - 「キリオス、ウィンブルドンには間に合う」 | テニス |エイゴン選手権

今日のキーワード「red-hot」(絶好調な) - 「クビトバが反撃」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「barnburner」(白熱した試合) - 「タイブレーク続出」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「tank」(無気力になる) - 「睡眠不足警報」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「square off」(対決する) - 「全米オープン2日目、王者登場」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「take a toll」(負担になる) - 「大会一番の番狂わせ」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「wheels come off」(歯車が狂い始める) - 「大坂、ゲームを支配」 | テニス | 全米オープン

今日のキーワード「showboating」(派手なプレー) - 「左右両利きのテニス選手」 | テニス | その他

今日のキーワード「in the same boat」(同じ境遇にいる) - 「キリオス、初戦快勝」 | テニス | ロジャーズ・カップ