今日のキーワード「against all odds」(予想を覆して) - 「ナダル「秘訣はテニスへの愛情」」 | テニス | ロジャーズ・カップ

こんにちは。
テニス英語ニュース「Around the Court」です。


シティオープン最終日、シングルス決勝が行われ、A.ズベレフ選手が優勝しました。準決勝の錦織選手に続いて、決勝のアンダーソン選手にもブレークポイントを許さない完勝でした。

ズベレフ選手は、ATP500では初優勝、今季ツアー4勝目になります。ズベレフ選手はサーブで主導権を握り、強打で押すテニスをしています。サーブとストロークがさらに安定し、ネットプレイなど攻撃のバリエーションが増えれば、さらに上位に行きそうです。今後も要注目の選手です。

さて、今日からはマスターズ1000(女子はWTAプレミア5)のロジャーズ・カップ本戦が始まります。今年の男子はモントリオール開催になります(女子はトロント)。

カナダ・テニス協会が、今大会トップシードのナダル選手にテニスを長く続ける秘訣について聞いています。
今日はその話題を取り上げます。

ラファエル・ナダル、ロジャーズ・カップ (画像:Tennis Canada 2015)

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1.今日のキーワード
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【against all odds    予想を覆して】

今日のキーワードは「against all odds」です。
前置詞「against ...」は「...に反して」、名詞「odds」は「可能性」や「見込み」という意味です。
ですので「against all odds」は「あらゆる可能性に反して」つまり「予想を覆して」という意味になります。
この「予想」はたいてい「(ある状況を実現するのが)難しいという予想」です。
「against all odds」は「難しいという予想を覆して」すなわち「困難を乗り越えて」という意味でも使われます。

本文では、昨年長期休養を取ったナダル選手とフェデラー選手が、今年のロジャーズ・カップで
第1、2シードになったのは「against all odds」であると言っています。

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2.ボキャブラリー
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・longevity : 選手寿命、長寿。
・Rafael Nadal : ラファエル・ナダル。スペイン国籍。31歳。左利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝15回、マスターズ優勝30回、ツアー優勝73回。現在2位 (最高1位)。
・Rogers Cup : ロジャーズ・カップ。マスターズ1000大会の一つ。ハードコート。開催地はカナダ・トロントおよびモントリオール。男女大会の開催地が毎年両都市間で入れ替わる。(例. 男子:トロント開催、女子:モントリオール開催の翌年は、男女それぞれ他方の都市で開催)
・embark : 乗り出す、従事する。
・Roddick : アンディ・ロディック。現役時代、グランドスラム優勝1回、ツアー優勝32回の成績を残す。最高ランキング1位。
・Hewitt : レイトン・ヒューイット。現役時代、グランドスラム優勝2回、ツアー優勝30回の成績を残す。最高ランキング1位。
・Federer : ロジャー・フェデラー。スイス国籍。35歳。右利き、片手バックハンド。グランドスラム優勝19回、マスターズ優勝26回、ツアー優勝93回。現在3位 (最高1位)。
・Monte Carlo : モンテカルロ・マスターズ。マスターズ1000大会の一つ。クレーコート。開催地はモナコ・モンテカルロ。

上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。

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3.原文
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【The secret to tennis longevity? The love of the game, says Nadal】

It’s the long-standing debate in professional tennis.

Is the ATP calendar tougher than it used to be? Are wins harder to come by than they used to be?

Rafael Nadal, two-time Rogers Cup champion in Montréal and the favourite to win again this year, doesn’t claim to have the answers to these questions but recalls that things weren’t necessarily easier when he embarked on the Tour in 2001.

“ At the beginning of my career, there was Roddick, there was Hewitt,” he remembers. “A lot of good players, too. Federer was there. […] Actually, the only thing, the main thing, is that we’re older. In the last year and a half, a good new generation has come, which increases the number of players. But it’s always the same. Players who are playing better have a better chance to win and the others have less. That’s sport in general.”

After returning to tennis after injuries and slumps that made observers question whether they could ever be back on top, Nadal (31 years old) and Federer (35 years old) are respectively—and against all odds—seeded first and second at an ATP event for the first time since Monte Carlo in 2011.

Nadal does not believe that there is a secret to their longevity and says that their love of the game is likely the best explanation: “It’s difficult to say. We really don’t know why. It’s not because players are coming late on the tour because we’ve been here since we were young. The thing that comes to my mind is that we love what we are doing. We keep having the motivation to compete and play tennis and that helps us. Just being professional, doing the right things on and off the court, helps to hold the body to keep playing. If you’re healthy, then it’s much easier.”

Much has been written about the fact that Nadal could regain the no.1 ranking for the first time since June 2014 if he reaches the semifinals this week but the Spaniard is hardly concerned. His current aspirations are far more modest.

“Just be happy. That’s it,” he says. “If I’m healthy, if I’m able to compete well, I’m happy. What I’m doing really makes me happy. I’m here, I’m still playing. If one day I come here and I’m not happy doing what I’m doing now, I’m going to go back home and do something else. It’s easy. I love this sport, I feel lucky to have the chance, at 31 years old, to still do what I’m doing and still have the chance to keep having success. So I’m just having fun every week and this week I’ll try my best again in Montréal.”



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4.日本語訳
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【ナダル「テニスを長く続ける秘訣は、テニスへの愛情」】

テニス界で長い間議論の的になっていることがある。

「昔よりツアー日程は厳しいか?」
「昔よりツアーで勝利するのは難しいか?」


ラファエル・ナダルは、モントリオール開催のロジャーズ・カップで2回優勝し、今年の優勝候補にもなっている。ナダルはこの問いに対する確かな答えを持っていなかった。だが、2001年にツアーに参加し始めた頃、必ずしも今より簡単なわけではなかったと振り返る。

「キャリア初期には、ロディックやヒューイットがいた。いい選手がたくさんいた。フェデラーもいたし。…ただ言えるのは、僕たちは年を取ったということだ。最近1年半の間に、新世代の優秀な選手が参加して来た。そのため選手の数が増えている。だけど、テニスに変わりはない。良いプレーをしている選手が勝利のチャンスをつかみ、そうでない選手はチャンスをつかめない。それがスポーツというものだ」と彼は言った。

ナダル(31歳)とフェデラー(35歳)は、再びトップに戻れるのか、という疑問を抱かせるようなケガとスランプを経験している。復帰後、予想を覆して、彼ら2人は今大会の第1、第2シードになっている。2011年モンテカルロ・マスターズ以来、初めてのことである。

ナダルは、長い選手生命に特別な秘訣はないと考えている。もしあるとしたら、テニスに対する愛情が最大の秘訣だろうと語った。

「言葉で言うのは難しいし、本当の理由はわからない。僕たちは若い頃からツアーに参加している。ツアーに来るのが遅かったわけではない。僕の頭に浮かんでくるのは、テニスを愛しているということだ。モチベーションを保ち、テニスをしている。プロフェッショナルであること、コート内外で正しい行動を取ること。これらのことがテニスをする体を維持するのに役立つ。健康であれば、テニスはかなり簡単だ」

もし今大会で準決勝に進出すれば、2014年6月以来の世界1位に復帰する可能性がある。しかし、ナダルはそのことにほとんど関心を示さない。彼が求めているのは、かなり控えめなことである。

「ただ幸せでありたい。それだけだね。健康を保ち、テニスができれば、僕は幸せだ。テニスをしていれば、僕は幸せになれる。僕はここにいて、まだテニスをしている。もしここに来て、テニスをすることに幸せを感じられなくなったら、家に帰って他のことをやる。簡単なことだ。僕はテニスを愛している。31歳になってもテニスを続け、テニスで成功するチャンスがあることに幸運を感じている。だから、毎週楽しんでいるだけなんだ。今週もモントリオールで全力を尽くすよ」と彼は言った。


(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Rafael Nadal vs Andre Agassi flashback | Coupe Rogers Montreal 2005 Final



(動画:Tennis TV)

2005年ロジャーズ・カップ決勝、ナダルvsアガシのハイライト映像。
ナダル選手がロジャーズ・カップ初優勝を決めた試合です。
アガシ選手の柔らかいタッチのドロップショットに、高いコートカバリング能力で対応するナダル選手。
アガシ選手はじわじわと前に詰めながらナダル選手を追い込み、最後はドロップボレーで決めています。
優勝決定場面以外は、アガシ選手の好プレー動画です・・・。
(動画編集者の意図はわかりません)

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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今週から始まるロジャーズ・カップの第1シード、ナダル選手のテニス観に関する話題を取り上げました。

ナダル選手のインタビューを見ていつも感じるのが、この人はいい意味で「天然」なんだろうな、ということです。話す口調や表情、話しているときの姿勢、出て来る言葉等々。どれも控えめで、非常に好感が持てます。「オレはグランドスラム15回優勝している!」という感じの威圧感がまったくありません。

15歳でプロツアーに参加し、それ以来31歳になるまで、テニスだけに打ち込んで来た人なので、テニス以外のことには本当に無頓着なんだろうな、というのが感じられます。また、おじさんでコーチのトニさんもかなり厳しい人なので、コート内外での振る舞いを厳しくしつけられたことが伝わって来ます。

一番上の写真のナダル選手の表情がとても好きです。目が澄んでいます。こう言うと失礼ですが「かわいいオッサン」だなと思います。

さて大会に話を戻すと、ナダル選手の対戦相手は、2回戦チョリッチ選手、3回戦イズナー選手、QFゴファン選手、SFズベレフ選手辺りになりそうです。
(私のテキトーな思い付きです)


私のテキトー予想通りになった場合、注目はゴファン選手との対決です。4月のモンテカルロではムーリエ主審の「誤審」により、いわくつきの1戦になってしまいました。ゴファン選手の速いタイミングのストロークに、ナダル選手がハードコートでどこまで対応できるか、そこが見どころです。

モンテカルロでも「誤審」でゴファン選手の集中力が切れるまでは、かなり緊張感の高い、いい試合をしていました。
インテンシティの高いナダル選手らしい試合を期待しています。


(追記)
ゴファン選手と初戦で対戦する杉田選手のことも応援しています。
過去の成績を考慮した上での苦渋の選択だったことを、ご了承いただけると幸いです。



(了)


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