今日のキーワード「no option but to do」(するしかない) - 「デルポトロ、負傷棄権のアルマグロを励ます」 | テニス | 全仏オープン

こんにちは。tennisshiroです。
 
全仏オープン5日目、2回戦の試合がひと通り終わりました。

錦織選手は地元フランスのシャルディー選手にストレートで快勝。3回戦では韓国の新鋭チョン・ヒョン選手と対戦することになりました。トップ10プレイヤーの錦織選手が、21歳伸び盛りのチョン・ヒョン選手の挑戦をどのように受け止めるか、非常に楽しみです。

その他の試合では、マレー選手、ワウリンカ選手、チリッチ選手などが勝ち上がりましたが、キリオス選手がK.アンダーソン選手に、ベルディヒ選手がカチャノフ選手に敗れています。

今大会は試合以外の部分でも感動的な出来事が多く起こっています。
このブログでも取り上げましたが、重傷を負ったクビトバ選手の復帰、S.ジョンソン選手の父親に捧げる勝利など、様々な人間ドラマが繰り広げられています。

昨日も非常に心温まる出来事がありました。今日はそのニュースを取り上げます。

ファン・マルティン・デルポトロ、ニコラス・アルマグロ、全仏オープン(画像:Eurosport
 

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1.今日のキーワード
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【no option but to do   するしかない】

今日のキーワードは「no option but to do」 です。
名詞「option」が「選択肢」、前置詞「but」が「...のほかに」という意味です。
ですので「no option but to do」は「...するほかに選択肢がない」つまり「...するしかない」という意味になります。
 

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2.ボキャブラリー
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・Juan Martin Del Potro : ファン・マルティン・デルポトロ。アルゼンチン国籍。28歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝1回、ツアー優勝19回。現在30位 (最高4位)。
stricken : 傷付いた、打ちひしがれた。
・Nicolas Almagro : ニコラス・アルマグロ。スペイン国籍。31歳。右利き、片手バックハンド。ツアー優勝13回。現在69位 (最高9位)。
・Rome : BNLイタリア国際。マスターズ1000大会の一つ。クレーコート。開催地がイタリア・ローマであることから一般的に「ローマ」と呼ばれる。
・beset : 付きまとう、悩ます。
・physio : メディカルトレーナー、理学療法士。
・Andy Murray : アンディ・マレー。イギリス国籍。30歳。右利き、両手バックハンド。グランドスラム優勝3回、マスターズ優勝14回、ツアー優勝45回。現在1位 (最高1位)。
・groin : 鼠径(そけい)部、足の付け根。
・quell : 打ち勝つ、鎮圧する、抑える。
・Martin Klizan : マルティン・クーリザン。スロバキア国籍。27歳。左利き、両手バックハンド。ツアー優勝5回。現在50位 (最高24位)。
・anti-inflammatory : 抗炎症薬。
 
上記フレーズに関する知識があると、原文をより深く理解できます。
 

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3.原文
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【Del Potro shows support to stricken Almagro】 

The pair were tied at a set all and 1-1 in the third when Almagro stopped playing, standing with his hands on his knees and head bowed before collapsing to the clay and sobbing uncontrollably.

A knee problem suffered in Rome earlier this month left him with no option but to retire and, for a player whose career has been beset by injuries in recent years, it was a bitter blow.
 
Del Potro squatted down next to Almagro and put a consoling hand on the Spaniard's chest while he was attended to by doctor and physio.
 
When Almagro picked himself up off the clay and walked slowly back to his chair, Del Potro went with him, sitting down next to his opponent and putting an arm around his shoulder.
 
Having lost virtually three years of his career to wrist problems, Del Potro took little pleasure in advancing to a clash with world number one Andy Murray.
 
He said: "I don't feel good after this sad situation. I wish a good recovery to Nico. Hopefully he can feel better very, very soon, because he's a great player and we love to have him on tour.
 
"And of course it's not easy for me when you have a friend on the other side of the court showing an injury or crying. It was really a bad moment for both of us.
 
"I tried to find good words for that moment. I said to him, 'Try to be calm'. Try to think about his family, his baby. And sometimes the heart is first then the tennis match or the tennis life. And I think he has everything to fix this problem and come back on tour stronger."
 
Del Potro might have struggled to finish the match himself had Almagro not retired, with the 29th seed, who came into the tournament nursing shoulder and back injuries, needing treatment for a groin problem.
 
He is hopeful he will be fit to face Murray, who needed more than three and a half hours to quell the challenge of Martin Klizan.
 
Del Potro said: "I felt something in my groin in the middle of the first set. And then I won that set and then tried to take time for the anti-inflammatories to have an effect on my body.
 
"I have one day and a half to feel better. It's an old problem for me, so my physio knows how to treat that. Hopefully I can be in good shape."


(引用元 Eurosport:
 

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4.日本語訳
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【デルポトロ、負傷棄権のアルマグロを励ます】 

1セットオール、ゲームカウント1-1のとき、ひざに手を置き、頭をうなだれ、アルマグロはプレーを止めた。その後、地面に崩れ落ち、感情を抑えきれず号泣した。

今月行われたBNLイタリア国際で負ったひざのケガのために、彼は棄権するしかなかった。近年ケガに悩まされているアルマグロにとっては、辛い出来事だった。

アルマグロが医師とメディカルトレーナーの治療を受けている間、デルポトロは彼のそばにかがみ込み、彼の胸に手を置き、慰め続けた。

アルマグロが立ち上がり、ゆっくりと歩いてベンチに戻る間も、デルポトロは彼に付き添った。ベンチでは彼の隣に座り、彼の肩に腕を置いた。

手首のケガにより実質3年間のキャリアを棒に振った経験があるので、デルポトロは3回戦に進出し、世界1位のマレーと対戦することが決まっても、喜ぶことができなかった。

「このような悲しい出来事が起こった後、良い気分にはなれない。ニコのケガが順調に回復することを祈っている。彼ができるだけ早く元気になることを願っている。彼は偉大なプレーヤーであり、我々は彼と共にツアーで戦いたい」と彼は語った。

「コートの向こう側で友人がケガをしたり、涙を流していたら、当然のことだが、僕は辛い。僕たち両方にとって、本当に辛い状況だった」

「僕はあの状況にふさわしい言葉を見つけようと努力した。『心を落ち着けよう。家族や子供のことを考えよう。一番大切なのは健康だ。健康になった後、テニスの試合やテニスキャリアを考えればよい』と声を掛けた。彼はケガを克服する力を持っているし、より強くなってツアーに戻ってくると思う」

もしアルマグロが棄権していなければ、デルポトロ自身が試合終了まで苦しんだかもしれない。今大会には第29シードで参加しているが、彼は肩と背中に負ったケガの治療を受けている。また鼠径部のケアも必要な状態だった。

彼はマレーと対戦するまでに、ケガの状態が良くなることを願っている。マレーはマルティン・クーリザンの挑戦を退けるのに3時間半を要している。

「第1セットの途中、鼠径部に違和感を感じた。第1セットを取った後は、抗炎症剤が効き始めるまで時間をかけようと努力した」とデルポトロは語った。

「鼠径部のケガとは長く付き合っている。だから僕のメディカルトレーナーはケアの仕方を知っている。良い状態で試合に臨めることを願っている」

 
(Translated by tennisshiro)

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5.関連動画
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Del Potro showed a lot of heart when Nicolas Almagro was forced to retire


デルポトロ選手のサーブに全く反応しないアルマグロ選手。
異変を感じたデルポトロ選手がネットを乗り越え、アルマグロ選手に歩み寄ります。
仰向けにコートに倒れ込んだアルマグロ選手は声を上げて号泣。
アルマグロ選手に慰めの言葉を掛け続けるデルポトロ選手。
ケガに苦しんだデルポトロ選手にとって他人事ではなかったのでしょう。
 

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6.その他のニュース
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7.編集後記
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デルポトロ選手のテニス人生はケガとの戦いと言っても過言ではないでしょう。

2009年の全米オープン、準決勝でナダル、決勝でフェデラーを破り、20歳の若さでグランドスラム初制覇。この当時は、ナダル・フェデラーの後を継ぎ、世界1位になるのはデルポトロだろうと誰もが思っていました。

ですが、その翌年の2010年に右手首のケガで戦線を離脱すると、ケガとの戦いが始まります。手術を受けて2011年に復帰しますが、万全な状態は長く続きませんでした。

2014年に今度は左手首にケガを負い、手術を受けます。2015年1月にシドニーで復帰しますが、痛みが再発。そして左手首の再手術を受けます。急ぐかのように、3月にマイアミで復帰しますが、結局すぐに戦線離脱。6月に左手首3度目の手術を受けることになります。

2016年に復帰して以降、大きなケガには見舞われていませんが、21歳から27歳までの半分近くの時間をケガとの戦いに費やす結果となってしまいました。

また左右合わせて4度、テニス選手にとって大切な手首にメスを入れています。その代償は大きく、3度メスを入れた左手を使うバックハンドからは、かつてのようなパワーショットが放たれることは無くなっています。現在バックハンドに来たボールは、ほぼスライスでしのぐだけになっています。

そんなケガの怖さを知っているデルポトロ選手だからこそ、他の選手のケガも見過ごすことができないのでしょう。今回のアルマグロ選手のケガも、まったく他人事ではないのでしょう。だからこそ、アルマグロ選手の気持ちが落ち着くように、親身に寄り添い、励まし続けたのだと思います。

デルポトロ選手のケガとの戦いを知っているだけに、今回の出来事は深く胸に刺さりました。
 
 
 

(了)

 
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